こんにちはユレオです。
日本の侍は海外でも高く評価され、ゲームや映画等の題材としてよく取りあげられます。
なんといっても魅力は「日本刀」なのですが、実はあまり知られていませんが、日本の種子島(火縄銃)は世界的に見ても当時の技術水準では非常によくできた銃で、国友・日野・堺は鉄砲の生産地として栄え、当時の世界の中でも高い技術力を誇っていました。
一説には戦国時代末期には日本は50万丁以上の銃を所持していたともいわれ、17世紀初頭では世界最大の銃保有国でした。
いわば日本刀と同様に当時の銃に関する技術も世界的に優れたもので、「火縄銃」も「日本刀」と同じように評価されるべきと思います。
本日はそんな日本の火縄銃を扱い、ヨーロッパの戦場で戦う一人の侍の物語の漫画のご紹介です。
タイトル:イサック
作者 :原作 真刈信二 漫画 DOUBLE-S
連載期間:2017年~
巻数 :既刊13巻(2022年12月現在)
今までにない侍がヨーロッパの戦場で銃士として戦うという物語が目新しく、非常に注目しています。
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漫画「イサック」のあらすじ
戦国時代末期の大坂夏の陣から4年後の1620年、ドイツを舞台にした歴史漫画で日本の平戸から旅立った一人の侍が三十年戦争期(1618年~1648年)で傭兵として戦場に立つ物語です。
主人公の侍の名はイサックといい、恩師である親方の仇討ちと奪われたものを取り戻すためにはるばる日本から海を渡りヨーロッパという未知の土地へやってきます。
西洋甲冑ではなく日本の甲冑を身にまとい、刀と種子島(火縄銃)で武装した姿はヨーロッパでの戦場では異質なものでした。
イサックは義理人情に篤く傭兵としての責務を果たし、銃士として常識を超える狙撃を行い不利な戦況をひっくり返すなど大活躍を見せます。
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漫画「イサック」の見どころ
イサックは見どころの多い漫画なので項目ごとに分けてみました。
種子島(火縄銃)の魅力
イサックは侍でありながら種子島(火縄銃)を巧みに扱い、狙撃と早撃ち得意とする銃士で、甲冑と刀と種子島で武装した日本人の侍がヨーロッパの戦場で活躍する様は今ままでに無かった切り口の漫画です。
日本における火縄銃の分類は、弾丸の重量や鉄砲鍛冶の流派に分類され、 イサックの持つ火縄銃の種類は狭間筒と考えれます。
狭間筒は通常の火縄銃に比べ弾丸重量のわりに銃身を長く設計されたもので、有効射程は200m~300mと言われています。
引用元:日本の武器兵器.jp
実際に火縄銃がどれぐらいの精度と威力があったのか実験された方がおられるようです。
歴史群像編集部および日本前装銃射撃連盟会長小野尾正治らによって2005年頃に行われた実験では、口径9mm、火薬量3グラムの火縄銃は距離50mで厚さ48mmの檜の合板に約36mm食い込み背面に亀裂を生じしめ、また厚さ1mmの鉄板を貫通した。鉄板を2枚重ねにして2mmにしたものについては貫通こそしなかったものの内部に鉄板がめくれ返っており、足軽の胴丸に命中した時には深刻な被害を与えたのではないかとしている。なお、距離30mではいずれの標的も貫通している。
また火縄銃に対する盾としてよく用いられた青竹による竹束については、直径4cm・長さ1m程度のものを31本束ね直径77cm、重量14.3kgとしたものに対して射撃実験を行っている。距離28.8mで10匁玉(直径18.4mm)を撃った時には青竹を6本貫通し、竹束そのものも貫通する威力を見せた。6匁玉(直径15.5mm)の場合は青竹4本の貫通で収まり竹束全体は貫通しなかったものの、当たり所が悪ければ全て貫通する場合もあるという結果が得られた。
なお、同書では火縄銃の有効射程は200m程度としており、命中精度に関する実験も行われている。ヒトを模した身長160cmの静止した的に対して、30mで5発全てが胸部に着弾、50mでも5発中4発が着弾するという好成績を収めている。
引用元:wikipedia
30年戦争とはどんな戦争なのか
ヨーロッパでの戦場は30年戦争が舞台なのですが、30年戦争とは1618年から1648年の間の30年間、神聖ローマ帝国で起きた宗教戦争です。
現在のドイツとスイスでの宗教改革による新教派(プロテスタント)とカトリックとの対立のなか展開された最大の宗教戦争で、小国家同士の宗教対立が現在のデンマーク、スウェーデン、フランス、スペイン等の各地に広がりヨーロッパ全体を巻き込む戦争へと発展しました。
イサックは傭兵としてプロテスタント側に立ち30年戦争へと参加します。
30年戦争は大きく四つの時期に分類され、1巻で登場する戦場はボヘミア(ベーメン)・プファルツ戦争(1618年 – 1623年)と考えられます。
イサックの魅力
侍は刀で戦うというイメージが強く、多くのコンテンツであるゲームや映画では侍は「日本刀」のみで戦うイメージがあります。
しかし、イサックでは種子島(火縄銃)を巧みに扱い、むしろメインの武器として扱います。
また、ヨーロッパの戦場での銃の常識を超える距離からの狙撃というのは現在でいうところの「スナイパー」に相当し、戦場の状況を一転させる力を持ちます。
イサックは傭兵ではあるが、ヨーロッパでの傭兵の感覚とは異なり、日本人としての恩義を重視する姿勢は異質と受け止められつつも、人の心をつかみ活躍する様はまさに”カッコいい”の一言です。
イサックの目的である親方の敵討ちを無事果たせるのか、奪われたものを無事に取り戻すことが出来るのか。
まだまだ多くのストーリーが語られていないため、今後の展開が非常に気になる作品です。
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