■51作品を掲載!(2023年6月11日 更新)
みなさんSF漫画はお好きでしょうか?SF漫画は他のジャンルに比べて非常に解釈の幅が広く、ハードSFからSFファンタジーまで様々な作品があります。
SF漫画は作品数が多くて全てのおすすめのSF漫画を紹介するのは難しいですが、SF漫画の中でも私が面白かったと思った漫画をご紹介をしたいと思います。
【目次】
- 厳選!おすすめのSF要素のある絶対面白い漫画のご紹介(全51作品)
- 天牢のアヴァロン /原作. 浜村俊基 漫画.藤澤紀幸
- リバイアサン /黒井白
- Dr.STONE(ドクターストーン) /原作.稲垣理一郎 漫画:Boichi
- サマータイムレンダ /田中靖規
- グレイプニル /武田すん
- 惑わない星 /石川雅之
- ONE PUNCH-MAN ワンパンマン /原作. ONE 漫画.村田雄介
- 東京卍リベンジャーズ /和久井健
- ノー・ガンズ・ライフ /カラスマタスク
- 怪獣8号 /松本直也
- 人形の国 /弐瓶勉
- 不死の猟犬(しなずのりょうけん) /八十八良
- 不死の稜線(しなずのりょうせん) /八十八良
- 機動戦士ガンダム サンダーボルト /太田垣康男
- パリピ孔明 /原作.四葉夕ト 漫画:小川亮
- シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ /原作. 硬梨菜基 漫画.不二涼介
- 村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない /原作.昼熊 漫画.森田和彦
- 五佰年BOX(いほとせボックス) /宮尾行巳
- 惑星クローゼット /つばな
- 刻刻 /堀尾省太
- 裏世界ピクニック /原作. 宮澤伊織 漫画.水野英多
- デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション /浅野いにお
- シドニアの騎士 /弐瓶勉
- 不滅のあなたへ /大今良時
- 進撃の巨人 /諫山創
- 天国大魔境 /石黒正数
- 信長のシェフ /西村ミツル
- 望郷太郎 /山田芳裕
- 食糧人類-Starving Anonymous- /原作.蔵石ユウ 漫画.イナベカズ
- レッツ☆ラグーン /岡崎武士
- サムライせんせい /黒江S介
- 地球の放課後 /吉富昭仁
- All You Need Is Kill /原作.桜坂洋 漫画.小畑健
- 時間島 /原作.椙本孝思 漫画.松枝尚嗣
- ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ /原作.餅月望 漫画.杜乃ミズ
- レベルE /冨樫義博
- 地底旅行 /原作.ジュール・ヴェルヌ 漫画.倉薗紀彦
- ゴールデンゴールド /堀尾省太
- 亜人 /桜井画門
- テセウスの船 /東元俊哉
- プラネテス /幸村誠
- 七夕の国 /岩明均
- 砂ぼうず /うすね正俊
- 宇宙兄弟 /小山宙哉
- BLAME! /弐瓶勉
- 百万畳ラビリンス /たかみち
- 少女終末旅行 /つくみず
- 銀河英雄伝説 /原作.田中芳樹 漫画.藤崎竜
- orange -オレンジ- /高野苺
- 懲役339年 /伊勢ともか
- 星を継ぐもの /原作.ジェイムズ・P・ホーガン 漫画.星野之宣
- 最後に
はじめに
当ブログでは漫画作品への感想を以下のようなレーダーチャートで表現しております。
あくまで個人的な視点での感想ですが、ご参考にいただければと思います。10段階評価の平均を5としております。
レーダーチャートは2種類あり、共通の漫画レーダーチャートとSF漫画ジャンルのレーダーチャートと分けております。
単純に漫画の感想を知るには「共通漫画レーダーチャート」をご参考ください。
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厳選!おすすめのSF要素のある絶対面白い漫画のご紹介(全51作品)
天牢のアヴァロン /原作. 浜村俊基 漫画.藤澤紀幸
タイトル:天牢のアヴァロン
作者 :原作. 浜村俊基 漫画.藤澤紀幸
連載期間:2019年~2020年
巻数 :全4巻
宇宙に進出して星間移民船による人類の移住を進める中で起きた事故により、目的地ではない惑星に囚われた人類が存亡をかけた争いを繰り広げられるSFファンタジー漫画です。
ソ連が覇権国家となり宇宙へ進出して恒星間移民船団が作られ、移民たちは冷凍睡眠により数光年先の惑星を目指しています。
主人公のアズマは目的地の惑星に着いた時に人々を導く指導者になるための管理官候補生として、10年に一度冷凍睡眠から目覚めて移民船団に異常が無いかを目視で確かめる任務をこなしていました。
しかし、ある日アズマは冷凍睡眠から目覚めると移民船は名も知らぬ惑星に墜落しており、人類が生存するには劣悪な環境の惑星での生活を余儀なくされます。
アズマは「先人(プロローグ)」と呼ばれ、移民船団で起きた爆発事故による墜落から400年あまり経過しており、生き残りの子孫が移民船の残骸を奪い合いながら、いくつもの勢力に分かれて争う戦争に巻き込まれることになります。
この漫画の世界観は非常に面白く、20世紀末に地球がソビエト連邦により統治され、民衆を希望に導くために拡張主義を推し進め、常に新しい領土を求めて、ついには宇宙進出を果たし、恒星間移民を進めることになります。
しかし、移民船団は恒星間を移動中の事故により目的地とは異なる不毛の大地へ降り立ち、400年もの月日が流れ、文明は中世ヨーロッパの時代まで後退して移民船の技術はロストテクノロジーとして扱われるようになります。
移民船には船外活動を行えるハイテクの宇宙服が備わっていましたが、人々はそれに装甲を付けて甲冑として兵器に転用し、「騎士鎧(オルラーン)」として戦争の道具として使っていました。
騎士鎧は貴重で、整備できる人もいなくなり、戦場でも奪い合いになるほどのもので、騎士鎧が数体でも運用次第では戦局が大きく変わる重要な兵器として扱われています。
中世ヨーロッパの世界観に宇宙移民時代のハイテク宇宙スーツをベースとした甲冑が登場する設定は非常に目新しく、SFらしいデザインでありながらカッコいい甲冑デザインが魅力の漫画です。
リバイアサン /黒井白
タイトル:リバイアサン
作者 :黒井白
連載期間:2022年~2023年
巻数 :全3巻
星間船が行き来する遠い未来を舞台とした物語で、植民星から地球に向かう途中で消息を絶ち宇宙を彷徨っていた廃旅客船での出来事を、「現代」と「過去」と行き来しながら謎を追うSFミステリー・サスペンス漫画です。
盗掘屋が廃船や投棄された宇宙船を見つけ、その中でお宝を探すと、宇宙に漂う年代物の巨大な廃旅客船に出くわします。
この船はプロキシマ植民星から中期に向かう途中で消息を絶った旅客船『リバイアサン号』で、これまで発見されていませんでした。
盗掘屋たちは船に侵入し、船内を捜索し始めます。その中で彼らは一冊の手帳を見つけます。
手帳の持ち主は少年・イチノセで、手帳には船内で起きた衝撃的な事実が日誌として記されていました。
日誌によると、事故により船内の酸素が50時間しか残っていない状況になり、1台のコールドスリープマシンを巡り、乗客たちが殺し合いを始めたことが書かれていました。
盗掘屋はその日誌を読み進めながら、コールドスリープマシンに生き残った一人の人間を救出するために廃旅客船『リバイアサン号』の深部へと進みます。
この漫画は星間宇宙船というSF世界を舞台にした物語で、現代の盗掘屋が『リバイアサン号』を調査・採掘する現代と、事故により凄惨な状況となった過去の出来事を1冊の手帳の記録を追いながら話が進行するミステリー・サスペンス漫画となっています。
船体の事故により酸素供給が停止したことから、生き残りを懸けて1台のコールドスリープマシンを巡りで殺し合いが始まり、船内には当時の凄惨な状況が痕跡として残っています。
「現代」と「過去」を行き来しながら、手帳に記された日誌の内容とその痕跡を辿る構成で進行し、淡々と描かれていることから、穏やかに物語が進行します。
続きが非常に気になる作品で、物語の顛末について盛り上がっていく構成は非常に上手く、全3巻と短い物語なので、週末の一気読みにおすすめの作品と言えます。
Dr.STONE(ドクターストーン) /原作.稲垣理一郎 漫画:Boichi
タイトル:Dr.STONE(ドクターストーン)
作者 :原作.稲垣理一郎 漫画:Boichi
連載期間:2017年~2022年
巻数 :全26巻
地球全体が謎の光に覆われたことで人間が一斉に石化する現象に起き、人類が滅亡して3700年が経過して文明を失った地球を舞台としたSFサバイバル漫画です。
主人公で高校生の石神千空(いしがみせんくう)は科学部の部長であり、大の科学オタクで、ボトルキャップからガソリンを生成するといったことをあっさりやってのける知識の持ち主です。
千空はいつもと変わらず高校の実験室で科学実験を行っていたところ、突如空が眩く発光して、地球上の全人類が一斉に石化するという怪現象に襲われることになります。
千空は石化して意識が薄れる中、秒数を数えることで意識を保ち、秒数から暦を把握しながら3700年経過した頃に石化が解けて蘇ります。
3700年経過した地球は文明が跡形もなくなり、石化した人類も石像のように残っているだけで、人の痕跡もない中で石化した人類を復活させるために、科学の知識を使って原始時代さながらの生活から文明を切り開くことに奔走します。
この漫画は現代人が当たり前のように使っている道具が、どのようにして作らているのかを学べる学習漫画としての要素と、人が生き残る為にどういった知識が必要なのかという事も学べるサバイバル漫画の要素があります。
人は何も道具がないところでは釘一本も作れない為、石器を作るところから始まり、磁石で砂鉄を集めて鉄器を作るといった、人類の進化の過程で生まれた発明を再現することで文化レベルを向上させていきます。
千空は「科学」だけではなく「化学」の知識も豊富で、抗生物質を自然界にある原材料から作りだしたり、ガラスを生み出して真空管を作るなど、サバイバル漫画の一線を画す「科学学習漫画」の要素が強く、化学や物理などの分野に興味がわく面白い構成となっています。
大きなストーリーや目的も明確で分かりやすく、巻数が進むごとに「どんな目的の為に何をするのか」という事が読者にしっかり伝わるところも好感が持て、非常に読みやすくて面白い展開が続きます。
アニメ化しています。
サマータイムレンダ /田中靖規
タイトル:サマータイムレンダ
作者 :田中靖規
連載期間:2017年~2021年
巻数 :全13巻
和歌山県の離島を舞台とした物語で、幼なじみの死から島に伝わる「影」の伝承の謎を追うループもののSFミステリーサスペンス漫画です。
主人公で料理人を目指している網代慎平(あじろ しんぺい)は、故郷の和歌山県から離れて東京の調理師専門学校に通う学生ですが、7月21日に幼馴染で小舟潮(こふね うしお)が海難事故で命を落とした事を知ります。
慎平は翌日の7月22日、潮の葬儀の為に2年ぶりに故郷に戻ったのですが、潮の遺体には首が絞められた跡があるなど不可解な点があり、他殺の可能性がありました。
しかし、警察は状況から事件性は無いと判断して事故として扱います。
その後、7月23日に島民が消える事件があり「影を見た者をは死ぬ、影に殺される」という島に伝わる「影の病」の伝承を耳にします。
この話を聞いた潮の妹である小舟澪(こふね みお)は潮が海難事故に遭う3日前の7月18日に「影」を見たことを話し、その後、慎平と澪は「影」に殺されます。
しかし、不可解なことに殺された慎平は「影」に殺されたことで7月22日に意識が戻り、「影」に殺されるたびに7月22日にループを繰り返すことになります。
この漫画は作者の故郷である和歌山県にある離島「友が島」を参考にした内容で、物語の舞台には「友が島」特有の建造物が登場します。
物語の中では「影を見た者をは死ぬ、影に殺される」という「影」の伝承が登場しますが、影に殺されると、殺された人物と「影」と入れ替わる為、「影」と本物の人物との区別はつきません。
慎平は「影」を目の当たりにしたことで「影」殺されますが、死ぬたびに島に戻ってきた7月22日に戻ることを繰り返します。
慎平は「影」に殺される7月22日に戻るループを繰り返すことで対策を講じ、「影」の存在をスマートフォンで撮影して、澪と信頼できる友人にその映像を見せて、潮は「影」に殺されたと考えていることを打ち明けます。
慎平は「影」の存在を信じた二人と協力しながら「影」の存在の謎と潮の死の真相を追うことになります。
グレイプニル /武田すん
タイトル:グレイプニル
作者 :武田すん
連載期間:2015年~
巻数 :既刊13巻(2023年4月現在)
日本のとある町の近くの山に宇宙船が墜落したことにより、不思議な変身能力を持つようになった男子高校生が主人公のSF青春バトル漫画です。
主人公で高校生の加賀谷修一は、ある時から自身の身体に異変を感じており、誰にも相談できずに一人悩みます。
身体に起きた異変とは「異常な嗅覚」と「着ぐるみを模した姿に変わってしまう変身能力」で、このことが周囲の人にバレないかと心配しながら生活を送っていました。
ある日、修一は近所の建物で火事が起きているのに気が付き、中に取り残された青木紅愛を助けるために「着ぐるみのバケモノ」に変身して助けますが、携帯電話を落としてしまったことで紅愛に修一の正体がバレてしまいます。
紅愛は修一と同じように「変身できる人間」を探しており、修一に近づき「正体をバラす」と脅して協力を求めます。
紅愛の求める協力とは両親を殺して失踪した修一と同じように変身能力を持つ姉の消息を追うことでした。
この漫画は一見「ゆるキャラ」に見える着ぐるみに変身できる能力を持った主人公と、両親を殺して失踪した姉を追うヒロインが、墜落した宇宙船の謎を追うSF青春バトル漫画です。
修一が持つ着ぐるみを模した姿に変わってしまう変身能力は文字通り「着ぐるみ」で、中身がらんどうになっており、人が入ることが出来るようになっています。
修一の変身能力は「他人を自分の中に入れることで弱さを補う」ものとなっており、変身能力の持たない普通の人間である紅愛が中に入って「操縦」することで身体能力が増します。
修一が変身する力を手に入れたきっかけは、町の近くの山に墜落した宇宙船からまき散らされたコインがきっかけで、生き残った宇宙人はコインを集める為に人間を利用し、コインを1枚集めるごとに変身能力を与えていました。
宇宙人がコインを集める理由は、コインに宇宙人の同胞のデータが詰まっており、宇宙船が墜落した際にバラバラに散らばってしまった仲間を助ける為で、宇宙人はもっと多くの同胞を助けるためにコインを100枚集めた人間にはさらなる力を与えることを約束します。
修一と紅愛はコインにより変身能力を身に付けた者同士の戦いに巻き込まれることになります。
惑わない星 /石川雅之
タイトル:惑わない星
作者 :石川雅之
連載期間:2015年~
巻数 :既刊6巻(2021年5月)
地球環境が破壊されて終末を迎えようとしている人類に地球自身が助けを求めて、擬人化した惑星や恒星と協力しながら地球を救うSFファンタジー漫画です。
主人公のS沢3国は文明が衰退して過去の遺物に頼り進歩を止めた”日本”に暮らす若者で、”内”と呼ばれる環境が安定した居住区に住み、”外”と呼ばれる外界と接した天文台跡地で宇宙に手紙を送る仕事をしています。
S沢は宇宙に手紙を送ることは無駄だと思いつつも、仕事をして食べていくために毎日宇宙に向けて手紙を送り続けていました。
そんなある日、人が生身で歩けるはずもない外界から1人の女性がS沢を尋ねて来て、宇宙の指定座標に向けて手紙を送る事を依頼した後に意識を失います。
S沢は女性の正体について不審に思いつつも保護して、宇宙の指定座標に向けて手紙を送ったところ、次々と生身で歩けるはずもない外界から人が訪ねてくるようになります。
S沢は混乱するも彼女達が何者であるかを尋ねたところ、惑星が人の姿に変えて手紙に応じて地球を助けに来たと説明されます。
最初にS沢の下に訪れた女性は「地球」で、助けを求め宇宙の星々に手紙を送った結果、太陽系の惑星が人の姿に変わり次々とS沢の下に尋ねて来ることになります。
この漫画は「擬人化した星」が人類と協力しながら終末を迎えようとしている地球を救う為に協力するという、かなりぶっ飛んだ設定の漫画となっています。
作者の石川雅之は細菌を擬人化した「もやしもん」という漫画で有名ですが、着眼点が面白い漫画家で、今作では「星」を擬人化のテーマとしています。
石川雅之特有の解説三昧で文字が多い漫画ですが、しっかりと物理学・天文学を調べたうえで読者に大変分かりやすく解説しており、知識欲が刺激される大変面白い構成となっています。
難しい事が嫌いな方や物理学や天文学に興味がない方にとってはつまらない漫画と感じるかもしれませんが、逆に理系の考えや知識欲がある方にとってはこの上なく面白い漫画で、評価が真っ二つに分かれる作品だと思います。
その為、物理学や天文学に興味がある方には間違いなくおすすめできる作品で、学習漫画としても大変面白くて新たな発見がある一度は手に取って欲しい漫画です。
ONE PUNCH-MAN ワンパンマン /原作. ONE 漫画.村田雄介
タイトル:ONE PUNCH-MAN ワンパンマン
作者 :原作. ONE 漫画.村田雄介
連載期間:2012年~
巻数 :既刊25巻(2022年7月現在)
「怪人」「悪の組織」「地底人」などあらゆる悪の存在が蔓延る世界を舞台にした物語で、人々のために正義を執行するヒーローの姿を描いたSF超能力バトルマンガです。
主人公のサイタマは趣味としてヒーロー活動を行い、人知れず怪人を倒して世界の平和のために貢献していました。
元々サイタマは特別な力があったわけではなく、ごく普通の青年でしたが、三年前に就職活動に行き詰った際に街で暴れていた怪人から少年を救い、幼少の頃からの夢であった「ヒーローになりたい」という夢を思い出し、それから就職をせずに独自のトレーニングを積み、ヒーローになるため努力を重ねます。
髪の毛が抜け落ちて、禿げ上がるほどの血の滲むような努力の結果、どんな敵でも一撃で倒せる最強の力を手に入れることになりますが、どんな敵との戦いもワンパンチで決着が付いてしまうことになり、ヒーローとして戦いでの緊張感や高揚感を喪失して、無気力な日々を送っていました。
しかし、同じヒーローであるジェノスと出会ったことで、趣味でヒーロー活動をして人々から評価をされていなかったサイタマは「ヒーロー協会」に加入することになり、一人のヒーローとして正義を執行することになります。
この漫画は元は原作者のONEがパソコン用の漫画原稿制作ソフト「ComicStudio」の練習のために執筆した作品でしたが、Web上に公開したところ読者からの反応が大きかったため、連載を継続し、当時読者の一人であった村田雄介がONEにTwitterでコンタクトを取り、共に漫画を制作することを持ちかけたことでリメイクされて再始動した作品です。
「SNS」「Web漫画」といったまさに時代を先駆けするサービスから始まった「ワンパンマン」の作品は、今やアニメ化やゲーム化する人気コンテンツに成長し、「Web漫画」という存在を広く世に示した作品で、出版社の漫画に対する販売方法や宣伝方法などビジネスモデルに大きな影響を与えました。
多くのヒーローが登場する漫画ですが、それぞれのキャラクターがたいへん尖った個性を持っており、基本的にギャグマンガですが戦いの描写はシリアスな展開が続くなど、非常に読者を引きつける構成で、原作者のONEの個性的な物語を作る才能と、村田雄介の迫力のあるアクション描写が見事にマッチした大変おもしろい漫画作品に仕上がっています。
アニメ版はこちらです。
東京卍リベンジャーズ /和久井健
タイトル:東京卍リベンジャーズ
作者 :和久井健
連載期間:2017年~
巻数 :既刊30巻(2022年12月)
タイムリープの能力に目覚めた青年が中学生時代の彼女の死を回避する為に、過去と現在を行き来するSF要素であるタイムリープとミステリー・サスペンスが加わったこれまでに無かったヤンキー漫画です。
主人公の花垣武道はフリーターで生計を立てる26歳の冴えない青年ですが、かつては不良に憧れて腕っぷし一つで成り上がることを夢見ていました。
そんなある日、中学時代の彼女だった橘日向と弟の橘直人が「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれて死亡したニュースを目にします。
武道の中学生時代は彼女がいて気の合う仲間と夢を語りながら青春を送る人生の絶頂期でしたが、「暴走族東京卍會(東卍)」と関りを持つことで転落して、彼女と仲間を置いて逃げ出した負い目とトラウマを抱えていました。
武道はバイト帰りに駅のホームで電車を待っていたところ、何者かに線路に突き落とされて死を覚悟した瞬間に、人生の絶頂期であった12年前の2005年7月4日に戻っていました。
そこで12年後の2017年に死ぬことになる橘日向と弟である橘直人と出会い、橘直人に12年後に二人は死ぬ運命である事を伝えたところ、武道は列車に轢かれる死ぬ運命を回避した2017年に戻り、同時に「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれて事故死する運命を回避した直人と再会します。
直人は2005年にタイムリープした武道と出会った事で「暴走族東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれる死の運命から回避出来ましたが、日向は抗争に巻き込まれて死亡しており、武道は直人と協力して日向を死の運命から回避させるために、元凶となる2005年に再びタイムリープして自身の過去と運命の改編に奔走します。
この漫画はヤンキー漫画にSF要素である「タイムリープ」を取り込んだ作品で、これまでに無かった新しい面白さがあります。
また、タイムリープをして過去である2005年に改変を行った結果、現在である2017年に変化が起こり、2017年で変化した状況から新たな情報を知ることで、再び2005年に戻って運命を変えようとする”タイムリープを繰り返す事で事件の真相が次第に明らかになるというミステリー・サスペンス”の様相も見せる壮大な物語となっています。
不良の世界を題材にしたヤンキー漫画は私はこれまで余り好んで読んでこなかったこともあり、この作品を知ったのは最近なのですが、この漫画はヤンキー漫画の衣を纏ったタイムリープを題材とした「SF×ミステリー・サスペンス」作品と言え、SFやタイムトラベルものがが好きな方には大変おすすめの作品と言えます。
この漫画はアニメ化や実写映画化もされている人気作品で、展開がスピーディーでありながら伏線を綺麗に回収しており、また、元凶となる暴走族チームで活躍して成り上がる姿も描かれている、ヤンキー漫画として読んでも大変面白い作品です。
アニメ版はこちらです。
ノー・ガンズ・ライフ /カラスマタスク
タイトル:ノー・ガンズ・ライフ
作者 :カラスマタスク
連載期間:2015年~
巻数 :既刊13巻(2022年12月)
身体の一部を機械化して機能拡張した「拡張者(エクステンド)」と呼ばれる人間が溢れる街で、拡張者絡みの問題を解決する「処理屋」と呼ばれる家業を生業とした男が主人公のSFハードボイルドアクション漫画です。
主人公の乾十三は先の大戦で全身を機械化したサイボーグであり、「拡張者(エクステンド)」と呼ばれる存在で、生身の人間が済む街で「乾相談所」という屋号で拡張者絡みの問題を解決する「処理屋」と呼ばれる家業を生業としています。
ある日、十三は警備局追われた全身を機械化した拡張者の誘拐犯と、誘拐犯によって連れ去られた少年と遭遇しますが、警備局には突き出さずに匿います。
拡張者である誘拐犯から誘拐の被害者である少年の保護を求められ、十三は処理屋として依頼を受け入れます。
この少年は身体を機械化する機能拡張技術で巨大企業となったベリューレン社のCEOの息子ということが分かり、またその少年が違法な機能拡張技術である拡張体遠隔操作装置「ハルモニエ」を使用する人体実験の被験体であることを知ります。
ベリューレン社からの追手により少年が奪われますが、十三は依頼を遂行し少年を取り戻して巨大企業であるベリューレン社と敵対することとなります。
この漫画は世界設定がぶっ飛んでおり、主人公が先の大戦で「GSU(ガンスレイブユニット)」と呼ばれる兵装を持つ13人の内の1人で、頭部が巨大なリボルバーの姿をしています。
世界設定も魅力でサイバーパンクな近未来SFファンタジーを彷彿させる世界観となっており、SFファンの心を鷲掴みにします。
こうしたサイボーグを題材にしたキャラクターは多くのマンガ作品で登場はしますが、頭部が巨大なリボルバーになっているキャラクターというのはかなり目を引きますし、主人公のビジュアルを見て「何だこの漫画は?!」という驚きを読者に与えてくれます。
ビジュアルだけではなくストーリーはしっかりとしており、主人公の十三のカッコよさと魅力があふれる物語展開で、振る舞いや口振りが刺さります。
銃身をモチーフにした姿なのに戦闘方法は主に徒手空拳というギャップも面白くて魅力的でもあり、全身が機械の姿なのに非常に人間臭い性格なので、好感が持てます。
一風変わった漫画作品を読んでみたいとという方には大変おすすめの漫画で、読むとファンになること間違い無しの作品です。
アニメ作品はこちらです。
怪獣8号 /松本直也
タイトル:怪獣8号
作者 :松本直也
連載期間:2020年~
巻数 :既刊9巻(2023年4月)
怪獣と呼ばれる巨大生物が蔓延る世界で怪獣発生率が世界屈指となっている日本を舞台にした「SFファンタジー×超能力バトル」漫画です。
主人公の日比野カフカは怪獣専門の清掃業者「モンスタースイーパー㈱」に務めており、怪獣殲滅を目的とした組織「日本防衛隊」により討伐された怪獣の死骸を処理する清掃業を生業としています。
カフカは幼少の頃に怪獣の出現で自宅と住んでいた町が被害に遭い、幼馴染の亜白ミナとともに「怪獣を全滅させよう」と約束したのですが、カフカは32歳になっても防衛隊隊員の試験に合格できず、方やミナは日本防衛隊第3部隊の隊長として活躍していました。
カフカは防衛隊への入隊する夢を半ばあきらめて怪獣の死骸を片づける清掃員として惰性的な生活を送っていましたが、日本防衛隊の入隊試験の年齢制限が33歳に緩和されたのを受けて、最後のチャンスとして隊員試験を受けることを決意します。
しかし小型の怪獣に襲われたことで身体が浸食されて怪獣化してしまい、人間では無くなる代わりに人知を超えた怪獣の力と変身能力を手にします。
カフカは怪獣の力と変身能力を手にしたことに戸惑うも、自分の意志でをコントロール出来ることから正体を隠したまま怪獣を討伐する日本防衛隊の入隊試験を受けることになります。
この漫画は怪獣という存在を「災害」に置き換えており、怪獣を台風に例えて番号で呼び、怪獣の強さには地震の強さを計測するマグニチュードに例えた「フォルティチュード」という単位が使われるなど工夫がされています。
怪獣は街を飲み込む巨大なものから人サイズの小型なものまで広く定義されており、そうした怪獣の死骸から得られる素材を使う企業が存在するなど、「日常の中で怪獣が存在するとどうなるのか」ということをしっかりと考察されており、類似性の高い設定としては映画「パシフィック・リム」をイメージすると分かりやすいかと思います。
本作品は「少年ジャンプ+」で連載されていますが、連載当初からネット上で話題となり、総閲覧数が「少年ジャンプ+」史上最速となるペースで伸びるなど話題沸騰中の作品で、王道のジャンプ漫画としての構成も万人受けする内容となっていることから今後はアニメ化してメジャー作品化することが予想されます。
人形の国 /弐瓶勉
タイトル:人形の国
作者 :弐瓶勉
連載期間:2017年~2022年
巻数 :全11巻
巨大な跡層におおわれた人工天体天体に住む人々が軍国主義の帝国と対峙し、生存をかけて戦うSF冒険ダークファンタジーの物語です。
主人公のエスローとその仲間たちは50世紀前に地底との戦争に敗れた子孫で、極寒の人口天体の地表で生活をしています。
その土地は病気が蔓延し攻撃的な自動機械により安泰なものではなく、厳しい生活を送っていました。
ある日、戦闘訓練中にリベドア帝国の兵士に追われる不思議な少女を助けるのですが、彼女が持っていたものは「世界が終わってしまう」代物でした。
これをめぐりエスロー達が住む拠点が襲われ、エスローも瀕死の状態になりますが、正規人形と呼ばれる存在になり生きながらえ、リベドア帝国に復讐を誓います。
この漫画はSF漫画の巨匠である弐瓶勉の漫画作品で、弐瓶勉特有の世界観である「超巨大建造物」「独特の単語」があふれる内容で、世界観などが多くが語られないまま話が進行していきます。
話が進むに連れて世界の情報が少しづつ読者に伝わるような流れとなっており、弐瓶勉の作品である「BLAME!」や「シドニアの騎士」などで登場するキーワードも含まれるため、弐瓶勉のファンにはたまらない内容となっています。
ストーリーはSF冒険ダークファンタジーですがコミカルな表現もあり、テンポよく読むことができる今後が楽しみな作品です。
不死の猟犬(しなずのりょうけん) /八十八良
タイトル:不死の猟犬(しなずのりょうけん)
作者 :八十八良
連載期間:2014年~2020年
巻数 :全7巻 スピンオフ全3巻
人が致命傷を負っても死亡せず「復活」することが当たり前の世界で、「復活」ができなくなる伝染病を巡る異世界召喚SFミステリー漫画です。
この世界では人は銃で撃たれて頭が吹き飛ぶような致命傷を受けたとしても、死亡すると何事もなかったように復活し、「復活」が人間の証しとされています。
しかし「復活不全症(RDS)」という病気に感染した者は、致命傷を受けても復活せず、生き返る事ができなくなってしまします。
RDSは感染する病気とされ、感染元は「ベクター」と呼ばれる経歴や過去の記録が一切存在しない「復活しない人間」で、警察はベクターとベクターを支援する犯罪者集団を追っています。
主人公の風間リンは警察で事務方として仕事している女性ですが、ベクターを支援する「逃がし屋」と呼ばれる存在で、RDSに感染して妹を失った刑事 剣崎真一と対峙することになります。
この漫画は「異世界召喚」「SF」「ミステリー」など複数のジャンルが含まれる作品です。
舞台は地球とそっくりですがパラレルワールド(平行世界)で、この世界の人類は「復活」があり決して寿命以外で死ぬことはありません。
この世界には「全人類の未来を管理するシステム」があり、もれなくこのシステムによって管理され、システムによる「未来を固定する」力が強い為、未来に矛盾する事象が起きると「事象がなかったこと」になります。
その典型的なものが致命傷を受けても死んだ直後に蘇る「復活」で、本来寿命で死ぬはずの人間が事故死したとしてもその事実が「なかった」ことになり、物理法則すら捻じ曲げた強い力となっています。
この世界で唯一人が死に至る病気「復活不全症(RDS)」は、感染源とされる「ベクター」により伝染しますが、このベクターは現世の地球から召喚された普通の人間であり、その人間と関係を持ち、「未来を固定する力」に影響を与えた結果、「なかったことにするシステム」が働かなくなったことで、人は致命傷を受けても復活しなくなります。
全人類を管理するシステムとは何なのか?なぜ普通に死ぬ人間であるベクターが送り込まれるのか?様々な謎がある物語で「異世界召喚×SF×ミステリー」の要素を含む大変面白い漫画です。
不死の稜線(しなずのりょうせん) /八十八良
タイトル:不死の稜線(しなずのりょうせん)
作者 :八十八良
連載期間:2018年~2020年
巻数 :全3巻 本編全7巻
人が致命傷を負っても死ぬことが無い世界で、人の「復活」ができなくなる病気を巡る異世界召喚SFミステリー漫画「不死の猟犬」のスピンオフタイトルです。
この世界では人は「復活」により死なないことが当たり前で、致命傷を受けて銃で撃たれて頭が吹き飛んだとしても、死亡すると何事もなかったように元に戻ります。
ある時から「復活不全症(RDS)」という病気に感染した者は、致命傷を受けても復活せず、生き返る事ができなくなるということが分かり、RDSの感染を断つために警察などの組織がRDSに感染した人間見つけては隔離するようになります。
主人公で高校生の若林雄貴は図書館で出会った年上の女性の久我カオリに一目惚れして遠巻きに見ていたのですが、ひょんなことから雄貴はカオリと交友をもつようになります。
しかし、カオリは”この世界の住人”ではなく、「ベクター」と呼ばれる経歴や過去の記録が一切存在しない「復活しない人間」で、雄貴はカオリの秘密を知りながらも逃走の手助けをすることになります。
この漫画は「異世界召喚」「SF」「ミステリー」など、様々なジャンルが含まれる作品で、舞台は地球とそっくりですがパラレルワールド(平行世界)で、この世界の人類は「復活」があり決して寿命以外で死ぬことはありません。
本編である「不死の猟犬(しなずのりょうけん)」のスピンオフタイトルである為、本編で登場する人物が多数登場しますが、本編を知らなくても物語が楽しめる構成になっています。
少しだけネタバレになりますが、この世界には「全人類の未来を管理するシステム」があり、もれなくこのシステムによって管理され、システムによる「未来を固定する」力が強い為、未来に矛盾する事象が起きると「事象がなかったこと」になり、その典型的なものが致命傷を受けても死んだ直後に蘇る「復活」となっています。
この世界で唯一人が死に至る病気「復活不全症(RDS)」は、感染源とされる「ベクター」により伝染しますが、このベクターは現世の地球から召喚された普通の人間で、ベクターと関係を持ち、「未来を固定する力」に影響を与えた結果、「なかったことにするシステム」が働かなくなったことで、人は致命傷を受けても復活しなくなり、これを伝染する病気「復活不全症(RDS)」と解釈しています。
そしてこの世界は「人が死なず復活をする世界」として何者かに500年ほど前に作られたもので、様々な展開をみせるストーリーで「異世界召喚×SF×ミステリー」の要素を含む大変面白い漫画です。
機動戦士ガンダム サンダーボルト /太田垣康男
タイトル:機動戦士ガンダム サンダーボルト
作者 :太田垣康男
連載期間:2018年~
巻数 :既刊19巻(2022年2月現在)
SFアニメとして有名な「ガンダムシリーズ」を題材としたの内容で、SF漫画家の太田垣康男が描くガンダムの世界観とMS(モビルスーツ)の戦闘が魅力のSF漫画です。
地球連邦軍側の主人公であるイオ・フレミングは旧サイド4「ムーア」の再興を悲願とする一団「ムーア同胞団」に所属し、「サンダーボルト宙域」の制宙権を奪還すべく幾度も戦闘を行っていますが、ジオン公国のスナイパーMS部隊「リビング・デッド師団」により、ことごとく退けられていました。
ジオン公国軍の主人公であるダリル・ローレンツは優秀なスナイパーとしてサンダーボルト宙域で輝かしい戦果を挙げ、ダリルの活躍により戦場は硬直していましたが、ムーア同胞団に最新鋭機のフルアーマー・ガンダムが配備されたことで戦況が大きく動きます。
リビング・デッド師団は、フルアーマー・ガンダムに対抗すべく実験機MSの「サイコ・ザク」実践配備し、ムーア同胞団とリビング・デッド師団によるサンダーボルト宙域での決戦が始まります。
この漫画はガンダムで最も人気のあるストーリー「一年戦争」を舞台にした内容で、宇宙世紀0079年12月という一年戦争末期のジオン公国軍の敗戦直前の設定で物語が進みます。
攻勢をかける地球連邦軍でしたが、サンダーボルト宙域の制宙権を奪還することが出来ず、最新鋭機のフルアーマー・ガンダムを投入することになります。
ムーア同胞団はガンダムの活躍により補給がままならないジオン公国軍のスナイパーMS部隊「リビング・デッド師団」を圧倒しますが、実験機MSの「サイコ・ザク」の活躍により、フルアーマー・ガンダムを撃墜して鹵獲する戦果を納めます。
この作品は多くのガンダムシリーズの作品とは異なり、ガンダムの所属する地球連邦側軍に偏った視点ではなく、ジオン公国軍と地球連邦軍と公平な視点で描かれているのが特徴です。
また、これまでのMSのデザインから大幅にアレンジされているのも特徴的で、メカデザインの解釈が非常に面白く合理的で、新しいガンダムの世界観を開拓した作品と言えます。
2015年にOVA化しました。
パリピ孔明 /原作.四葉夕ト 漫画:小川亮
タイトル:パリピ孔明
作者 :原作.四葉夕ト 漫画:小川亮
連載期間:2019年~
巻数 :既刊12巻(2023年2月現在)
古代中国の三国志時代に「蜀」の丞相を務めた諸葛亮孔明が、死後に日本の渋谷に若き日の姿で転移して、駆け出しのシンガーソングライターの夢を叶える為に”軍師”として活躍する「SF×歴史×音楽×コメディ」作品です。
主人公の諸葛亮孔明は三国志時代に多くの仲間と共に幾多の敵を倒してきた”歴史上最も有名な軍司”ですが、五丈原にて戦の勝敗を憂慮しながら病死します。
孔明は命が尽きる前に、”命のやり取りなどない平和な世界へ生まれ変わりたい”と願っていましたが、気が付けばハロウィンイベントが行われている現代日本の渋谷に若き日の姿で転生していました。
孔明はハロウィンに酔狂し奇抜な姿で盛り上がる若者や、クラブでの大音量で鳴り響く音楽を耳にして地獄の獄刑を受けている勘違いしますが、クラブでボーカルイベントを勤める月見英子と出会います。
英子の歌声に魅了された孔明は、シンガーソングライターの卵として駆け出しで「歌手として成功する」という英子の夢を叶える為に、”軍師”として英子のマネージャーになることを宣言し、前世では無し得られなかった、天下泰平の世を作る事を目的に”諸葛亮孔明”としての知識や才能を使って動き始めます。
この漫画は「諸葛亮孔明」というキャラクターを現在日本に甦らせて活躍を描く物語となっており、歌手である月見英子のマネージャーとして暗躍して英子の音楽活動と立身出世を描く音楽漫画となっています。
数年前に諸葛亮孔明の兵法をビジネスの現場に生かすというコンセプトで執筆されたビジネス書が数多く出版されて本屋に並びました。
そうした”諸葛亮孔明の兵法をビジネスの現場に生かす”という内容を実際の歴史上の人物が、駆け出しのシンガーソングライターのマネージャーとなって体現するという内容で、三国志や諸葛亮孔明に詳しくない方でも楽しめるようになっています。
歴史上の人物が何の隔たりもなく現在日本の文化を理解し、言葉の壁なく活動する点で言えば、もはやファンタジーとも言える内容ですが、細かなところを無視して読めば非常に面白く、「人の動かし方」や「ビジネスで成功する為の戦術」と「戦略と戦術のすみわけ」など新しい発見もある新しいタイプの漫画作品と言えます。
シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ /原作. 硬梨菜基 漫画.不二涼介
タイトル:シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~
作者 :原作. 硬梨菜基 漫画.不二涼介
連載期間:2020年~
巻数 :既刊12巻(2023年4月現在)
VRゲームの進化版である「フルダイブ型VRゲーム」が一般的になった近未来の日本を舞台にした物語で、「シャングリラ・フロンティア」と呼ばれるゲームを攻略する「SF×ファンタジー」漫画です。
主人公で高校生の陽務楽郎(ひづとめ らくろう)はゲームを趣味とする少年で、フルダイブ型VRゲームが主流となったことで映像技術が向上したがシステム面が不十分のゲームである、いわゆる「クソゲー」をこよなく愛しており、クソゲーの攻略に情熱を注いでいました。
通常であれば「クソゲー」は忌み嫌われるものですが、楽郎はこうしたゲームを嬉々として求めており、理不尽なゲームシステムやバグによる進行の妨害といったものを攻略することでのカタルシスを楽しんでいます。
ある日伝説のクソゲーをクリアしたことから新しいクソゲーを探しにゲームショップに訪れたところ、店主からクソゲーの対極に位置する文句なしの良質で良くできたゲームで、いわゆる「神ゲー」と評価されるフルダイブVRゲーム「シャングリラ・フロンティア」を勧められます。
シャングリラ・フロンティアはサービスが開始されて1年が経過し、登録者数が3000万人という大規模MMOゲームですが、ワールドストーリーの進行度は未だに0%となっており、楽郎はこのゲームをクリアするためにシャングリラ・フロンティアの世界に足を踏み入れます。
この漫画は「フルダイブ型VRゲーム」の普及により、ゲームの世界に自由に出入り出来るようになった近未来の日本が舞台となっています。
その為、「フルダイブ型VRゲーム」を使う事で好きなゲームの世界に入り込める事が出来るので、漫画での主人公の描写や世界観がころころと変化する内容となっています。
ただ、物語の物語の中で説明が分かりやすく語られていることから、特に混乱することもなく読み進める事が出来ます。
ゲーム特有の専門的案用語がかなり多く飛び出してくるため、ゲームの世界に疎い方には少々わからない点が見受けられるかと思いますが、冒険ファンタジーとしては非常に面白く、「自由に現実に戻れる異世界転生もの」の作品として見れば違和感なく読み進める事が出来ます。
絵柄も見やすくて物語の進行も非常に良いことから、テンポよく読み進められる今後が楽しみな作品です。
村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない /原作.昼熊 漫画.森田和彦
タイトル:村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない
作者 :原作.昼熊 漫画.森田 和彦
連載期間:2020年~2023年
巻数 :全6巻
10年来ニートとして引きこもり生活を続けていた青年が、差出人不明の村を発展させるゲームのテストプレイヤーに選ばれたことで、ゲーム内の村の発展を通して人として成長していく「SF×ミステリー」漫画です。
主人公の良夫(よしお)は、大学を卒業後はそのまま就職して社会人になり、順風満帆の人生を送ると考えていましたが、就職活動に失敗したことをきっかけに自宅に引きこもるようになり、10年余りニートの生活を送っていました。
ある日、良夫の元に差出人不明の小包が届き、開封したところ中身は『命運の村』という未発表タイトルのゲームソフトでした。
良夫は趣味で応募している懸賞に当選して、未発表ゲームのテストプレイヤーに選ばれたと考え、ダウンロードをしてプレイを始めたところ、実写と見紛うような美麗なグラフィックのゲームが始まります。
『命運の村』は、1日1回だけゲーム内で「神託」という形でNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)である村人に指示を出せる仕組となっており、神様として村人に神託を与えて村を発展さえて繁栄に導くゲームでした。
ゲームの中の村人は、まるで現実に生きているかのように振る舞い、良夫の指示に従い、モンスターといった外敵から身を守り、村を発展させていきます。
実写と見紛うような美麗なグラフィックと、まるで生きているかのように振る舞うNPCの村人がいる『命運の村』というゲームにハマった良夫は、村をより発展させる為には課金が必要になったことから、ニート生活10年目にしてお金を稼ぐ為にアルバイトを始めることになります。
この漫画は村を発展させるシミュレーションゲームを通して、プレイヤーである青年が成長していく様を描いた、かなり珍しいストーリー構成となっています。
最近流行りの「異世界転生もの」では、ゲームの世界に紛れ込んでしまう作品が多数存在しますが、この漫画では、現実世界とゲームの中の世界はきっちりと線引きがされており、主人公は「村を導く神様」として、1日1回NPCに神託を与えることしか出来ません。
しかし、村が発展して、村人が神へのお供えをするようになると、そのお供え物が良夫の自宅に宅配便として届けられるようになり、ゲームの世界の出来事が現実に影響するようになります。
『命運の村』は最近のゲームシステムと同じように「課金システム」があり、村をより効率良く発展させるためには課金が必要があることから、引きこもりだった主人公は家族との対話を持つようになり、仕事を探して収入を得るためにアルバイトを始めます。
タイトルから、最近よく目にする「ゲームの世界に転生して活躍する」物語と思っていましたが、現実とゲームの世界の線引きが非常にうまく、引きこもっていた主人公が家族との絆と、社会とのつながりを得て自立していく面白い物語展開で、人にお勧めしやすい漫画と言えます。
小説版はこちらになります。
五佰年BOX(いほとせボックス) /宮尾行巳
タイトル:五佰年BOX(いほとせボックス)
作者 :宮尾行巳
連載期間:2017年~2018年
巻数 :全4巻
蔵の整理をしたところで奇妙な木箱を見つけるのですが、木箱の中はミニチュアの昔の日本の姿が箱庭のようになっており、小さな人々が動き生活をしています。
主人公で大学生の遠野叶多は幼馴染の和泉真奈の家の蔵の掃除を手伝っていたところ、蔵の底に地面に埋められる形で保管された奇妙な木箱を見つけます。
その木箱の中は古い日本の姿が「箱庭」のようにミニチュアになっていますが、その木箱の中には人もいて動いており、「昔の日本の世界」が完全に再現されていました。
ある日、叶多は木箱の中で野盗が村人を襲う場面を目撃して、とっさに木箱の中に手を入れて村人を救います。
叶多はこの奇妙な木箱の存在を詳しく聞くため、真奈の家を訪れるたところ、真奈の父親から「うちには真奈なんて娘はいない」と言われます。
この漫画は蔵の中から出てきた奇妙な木箱を巡るタイムパラドックスの様相を見せる非常に面白い展開のSF漫画です。
木箱の中の昔の日本の世界に干渉すると、叶多が住む現実の世界に影響を与えて、場合によれば存在していた人が突然「そもそもいなかった」事になります。
そして同時にいなかったことで生活を送ってきた記憶も持つようになり、木箱の中の「昔の日本の世界」に干渉をすると現世の世界が変わる事に叶多は気が付きます。
叶多は元の真奈が居た世界に戻すために奮闘するのですが、タイムパラドックスやパラレルワールドなど読者をぐいぐいと引っ張る内容でSF好きの方にお勧めの漫画です。
惑星クローゼット /つばな
タイトル:惑星クローゼット
作者 :つばな
連載期間:2017年~2020年
巻数 :全4巻
怪物に襲われる夢を頻繁に見るようになったと思ったら、そこは夢の世界ではなくて、”現実と夢の狭間の世界”であり、怪物がはびこる別の惑星から脱出するために奮闘する「SFサバイバル×ホラー」漫画です。
主人公で女子中学生の杉沢愛海(すぎさわ あいみ)は、ある日から、妙にリアルで不思議な夢を見るようになります。
夢の内容は巨大な怪物が蔓延る別の惑星のような世界の中に同年代の少女が居て、毎回愛海に助けを求めてくるというものでした。
愛海は当初、夢の続きが見られるということで楽しんでいましたが、夢の世界で現れた怪物が現実世界にも現れるようになり、同級生が怪物に襲われて行方不明になります。
その夜、愛海はいつものように眠りについたところ、行方不明になった同級生が怪物に寄生された姿で夢の世界に現れて、愛海と夢の世界で出会う少女を襲ってきました。
夢の中で出会う少女の話では、夢と現実の間には死んだ人の念が焼き付いたもう一つの世界があり、愛海が眠ると迷い込むこの地は、地球とは異なる”狭間の世界の惑星”ということでした。
愛海は夢の世界で出会った少女を地球に連れ戻す為に奮闘することになります。
この漫画の絵柄は全体的に緩い感じの印象ですが、ホラー漫画家として有名な「伊藤潤二」を彷彿させる表現が多数あり、嫌悪感を刺激するホラー演出がある作品です。
ホラー作品の漫画は数多くありますが、演出による恐怖を描いた作品ではなく、絵柄の嫌悪感で恐怖を煽る作品である為、読者をかなり選ぶ漫画である為、人には勧めにくい作品と言えます。
ただ、世界観は非常に独特で、作者本人の強い個性が感じられることから、他に類がない漫画とも言えます。
物語の設定や構成、ストーリーの進展が少々強引のように思えますが、作者が表現したいものを優先した結果のである事が伝わり、ある種「商業誌の漫画」と言うよりも「芸術性を追及した作品」とも言えるかと思います。
読者を選ぶ作品ですが、独特の表現や世界観は一度見たら忘れられないインパクトがある漫画なので、気になる方は是非ご覧ください。
刻刻 /堀尾省太
タイトル:刻刻
作者 :堀尾省太
連載期間:2008年~2014年
巻数 :全8巻
「止界」と呼ばれる時が止まった世界で繰り広げられる”時を止める力”を巡るSF漫画です。
主人公の佑河樹里は幼少の頃に飼い犬が寿命を迎えた事に対して受け入れることが出来ずにいたところ、祖父が「止界術」と呼ばれる力を使い、樹里と「止界」という時が止まった世界に入ります。
「止界」は時が止まった世界なので、永遠に飼い犬は死を迎えることはありませんが、時が止まっているので飼い犬は動くことは無く、祖父の説得もあり樹里は飼い犬の死を受け入れることができました。
そうした「止界」での不思議な出来事は祖父により全て夢だと思い込まされ、そして時は過ぎます。
大人になり就職活動に追われるようになった樹里は祖父と両親と兄と妹と妹の甥の大家族で平凡な生活を送っていましたが、ある日兄が幼稚園に甥を迎えに行ったところ、誘拐事件に巻き込まれて二人とも誘拐されることになります。
犯人は身代金500万円を要求して受け渡し時間までに来なければ人質を殺すと伝えます。
受け渡し時刻まで30分もなく、間に合わない事を悟った樹里は誘拐犯と刺し違える覚悟で二人を助けに行こうと身代金の受け渡し場所に向かおうとしますが、それを見ていた祖父が樹里を止めて、居間に置物として扱われていた「止界術の石」に手を置き「止界術」を発動させて、祖父と父と樹里の3人で時が止まった世界である「止界」に入ります。
このマンガは「時を止める力」と「時が止まった世界」を巡り奪い合いを行うSF漫画なのですが、この特殊な時が止まった世界の表現がとても素晴らしく、日常のワンシーンを切り出したかのように描かれています。
作中で止めた時間帯が夕方の日が沈む直前で、変化が一番大きな時間帯で静止しているということもあり、物語を通してずっと夕方が続くことで「時が静止した世界」を強く意識させられます。
時間を止める「タイムストップ」をテーマにした映画やマンガは世にたくさんありますが、この「刻刻」での「時が静止した世界」の表現は非常に細かく描写されており、リアルに感じることが出来ます。
2018年にアニメ化しました。
裏世界ピクニック /原作. 宮澤伊織 漫画.水野英多
タイトル:裏世界ピクニック
作者 :原作. 宮澤伊織 漫画.水野英多
連載期間:2018年~
巻数 :既刊9巻(2023年2月現在)
実際にインターネットや都市伝説などで話題になっている怪談話や異世界への扉を開く方法などの内容をモチーフとした「異世界×SF×ホラー」漫画です。
主人公で大学生の紙越空魚(かみこし そらを)は高校生の頃から廃墟探検などに興味があり、話に聞いた廃墟などを一人で探検する趣味を持っていました。
ある日、心霊スポットの探検として廃屋を訪れて、入口とは別の廃屋から屋外に出る扉を開けたところ、ドアの先にはあり得ないほどの広大な草原が広がっており、偶然にも異世界(裏世界)に繋がる扉を発見してすることになります。
空魚はこの世界を「裏側」と呼び、気が遠くなるほどの静けさが気に入り探検をしていたところ、未知の生物と思わしき物体と遭遇したことで、命を失う危機を迎えますが、空魚と同じように裏世界を探検していた仁科鳥子(にしな とりこ)に助け出されて九死に一生を得ます。
鳥子は空魚とは異なる異世界の扉から裏世界へ入っており、行方不明になった友人を探すために裏世界へ頻繁に訪れていました。
裏世界について何も知らない空魚に対して、鳥子は裏世界に関連する情報を持っており、また友人の探索に協力して欲しいと請われて、空魚は鳥子と共に裏世界の探検を続けることになります。
この漫画はネットで話題になった「異世界の扉」「異世界に行った経験談」という内容や、都市伝説として語られる怪異をテーマにした作品で、異世界を女子大生が探検するという内容になっています。
物語を読み進めるうえで基本的な知識として、「ネットで話題になった異世界の扉や異世界に行った経験談」がある程度必要となっており、それらを知っている状況で読むと面白さが深まりますが、そうした事前知識がないとなかなか面白さが伝わってこない部分がある為、ある程度読者を選ぶ作品と言えます。
とは言え、世の中にある「都市伝説」「怪異談」「異世界へ繋がる扉」といった内容をテーマにした事で、オカルト方面への興味が湧く物語構成となっており、読み進めると謎が少しづつ明らかになっていくことから、気が付けば一気に読み進めることになる没入感の高い作品です。
異世界をテーマにした作品ですが、怪異もテーマにしているため、ホラー要素もある作品となっており、「異世界」×「SF」×「ホラー」とこれまでにない複数のジャンルが織り交ざった構成で、珍しい漫画を探している方にはおすすめです。
小説版とアニメ版はこちらです。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション /浅野いにお
タイトル:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
作者 :浅野いにお
連載期間:2014年~2022年
巻数 :全12巻
突如巨大な円盤が現れ「侵略者」より攻撃を受けた事で多くの死者を出した円盤騒動事件から3年たった東京の渋谷を舞台にした青春SF漫画です。
主人公で女子高生の小山門出は3年前に巨大円盤である宇宙船が現れた際に父親を亡くして、母は円盤騒動による汚染物質を避けるために東京を離れている為、門出は一人暮らしをしています。
「侵略者」は母船から小型円盤が定期的に出撃してきますが、自衛隊はそれに対して有効な対抗手段を持っており、逐次迎撃をするといったことが日常となっています。
その為、3年前の円盤襲来の頃のような緊張感が無く、上空には母艦の円盤が浮いたままになっています。
自衛隊と侵略者との戦闘が時折行われることが日常となった東京で、小山門出は友人たちと共に青春を謳歌します。
この漫画は突如上空に巨大な円盤が出現して「侵略者」により日常的に攻撃を受けて自衛隊と小競り合いが続く東京を舞台にした主人公を中心とした青春の日常を描くSF漫画です。
侵略者の目的が分からないまま自衛隊との戦闘が続く中、日本政府は政治的な目的の為に侵略者との戦闘を継続しており、もはや巨大宇宙船がそこにあることが日常となっています。
日常の中に非日常の円盤騒動が加わるのですが、この円盤により人類が滅亡する事が物語の冒頭で示唆されており、人類の終末へと続く物語がどのようになるのか、今後の展開が非常に気になる漫画です。
シドニアの騎士 /弐瓶勉
タイトル:シドニアの騎士
作者 :弐瓶勉
連載期間:2019年~2015年
巻数 :全15巻
太陽系がガウナと呼ばれる宇宙生命体によって破壊された1000年後の未来、人類が種の存続をかけて巨大宇宙船で太陽系を脱出して移民できる惑星を求め旅するSF物語です。
主人公の谷風長道は宇宙を旅する播種船(はしゅせん)「シドニア」の最下層部で祖父と隠れるように暮らしていましたが、祖父が亡くなった後に上層部に出たところを捉えられます。
祖父はシドニア船の重要な人物で過去に通常兵器でガウナを撃退することの出来る唯一のエースパイロットでクローン素体となる人物でしたが、赤子まで成長した自身のクローンを奪いシドニアの住区外に逃亡していました。
谷風長道は祖父より「衛人」と呼ばれる人型の主力戦闘機の操縦士としての技術、心構えを伝授されており、シドニアの歴史的名機である「継衛」を与えられ戦果を上げます。
この漫画はSF漫画界の巨匠 弐瓶勉の作品で、綿密な世界観設定や巨大宇宙船、巨大構造物等、SFファンが喜びそうな要素が満載の漫画です。
これまでの弐瓶勉の作品にあった「ダークSF」の世界観から大きく様変わりして、「明るいSF」の様相を見せており、SFだけではなく「ラブコメ要素」や「メカ・ロボット物」の要素が加わり、一気に読者層の幅を広げた作品です。
しかし戦闘シーンは非常に緊張感があり、圧倒的に不利な人類がどのように難所を乗り越えるかという手に汗握る攻防が続きます。
慣性の法則や宇宙における相対速度など、これまで多くのSF作品が表現を避けてきた物理法則などもしっかりと描写しており、SFファンにはたまらない作品です。
2014年にアニメ化しています。
不滅のあなたへ /大今良時
タイトル:不滅のあなたへ
作者 :大今良時
連載期間:2016年~
巻数 :既刊18巻(2022年2月現在)
何者かによって生み出された不死の”球”の存在が地上に投げ入れられ、その球が様々な情報を写し取り、やがて自我を持ち世界を旅するSFファンタジー漫画です。
観測者と呼ばれる存在により生み出された”球”はあらゆる物から強い刺激を受けることでその性質を記憶して模倣することが出来ます。
球は地上に降り立ったあと、岩などの無機質なものに変化しますが、やがて力尽きた狼の姿を写し取り、自我を持ち自由に動き回れるようになります。
その後少年と出会い、その少年の死の刺激により人の姿を手に入れ球は「フシ」と名乗ります。
その後も、光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ等の刺激に満ちたこの世界のものを写し取りながら、あらゆる刺激を吸収するために、観測者を共にしながら永遠と世界を旅をすることになります。
この漫画は主人公が人間では無く、不死の存在である「球体の何か」であり、その球が写し取った物体や生命の姿を借りながら永遠と世界を旅していく壮大なSFファンタジーの物語です。
世界観が独特で、地球とも異世界とも言えない様相が面白く、フシ以外の存在は時間が流れ、年老いて死んでいくわけですが、フシという不滅の存在が特異に表現され、近年の漫画にはない深いストーリーとなっています。
哲学的な要素もあり、読者への問いかけや死生観など、答えのないモノに対する追求など、深く考えさせられる描写が多く、漫画を読んでいて不思議な感覚になります。
個人的には似たような感覚に陥った漫画作品として手塚治虫の「火の鳥」が挙げられ、不滅の存在であるフシだけが移りゆく世界に取り残され、それがよりフシの特異な存在を際立たせます。
少しずつ読まずに一気に読んでしまうほうが理解しやすく、漫画作品としてはなかなか得られない思想や満足感が得られるので、是非ともおすすめします。
アニメ版はこちらです。
進撃の巨人 /諫山創
タイトル:進撃の巨人
作者 :諫山創
連載期間:2009年~2021年
巻数 :全34巻
中世ヨーロッパを彷彿させる巨大な三重の壁に囲まれた世界が舞台の物語で、人を喰いつくす”巨人”があふれる世界で人類が生存をかけて抗う壮大なSFダークファンタジー漫画です。
人類は突如出現した”巨人”によって滅亡の淵に断たされていましたが、三重の巨大な城壁に守られることで生きながらえており、城壁の内側に都市を作り100年もの間命脈を保っていました。
主人公のエレン・イェーガーは城郭都市のシガンシナ区で両親と、イェーガー家に引き取られた幼馴染のミカサ・アッカーマンと4人で生活をしており、幼少の頃から城壁の外がどうなっているのか知りたいと考え、大きくなったら唯一壁外に遠征して壁の外の世界を知ることが出来る「調査兵団」になることに憧れていました。
100年もの間人類は巨大な城壁に守られたことで、巨人の脅威を目にすることはありませんでしたが、ある日シガンシナ区で城壁をも上回る大型の巨人が出現したことで城壁が破れて、巨人が壁内に侵入してきたことで人類は生活圏の3分の1を失うことになります。
エレンはこの騒動の中でミカサと生き残りましたが、母は生きたまま巨人に食べられて、また父は行方不明になるなど心に大きな傷を負い、エレンは巨人を一匹残らずこの世から駆逐することを誓います。
この漫画は非常にストーリーが練られた壮大な物語で、ファンタジー世界を舞台とした内容ですが、魔法や超能力といったものはほとんど登場せず、組織として編成した軍や戦術を駆使して強大な力を持つ巨人に挑む内容となっています。
人類の敵である巨人は人の見た目を保っていますが、知能は持っておらず食事を必要としないにも関わらず人類を捕食する生命体で、大きな損傷でも直ぐに再生してしまう驚異的な生命力を持つなど強大な力を有します。
この巨大な人型の生命体に対して人類は様々犠牲を払うことで、僅かながらの抵抗する手段を見つけますが、人類が巨人に襲われながらも100年近く生存できたのは、”いつどうやって作られたかもわからない巨大な三重の城壁”があったことでした。
「巨人の謎」「三重の城壁の謎」「世界の謎」等の物語の世界設定について非常にオリジナル性があり、様々な謎が物語を進める過程で明らかになり、非常に深く考えられた物語構成となっていることから、多くの読者を鷲掴みにする傑作の漫画作品と言えます。
物語が進むにつれて多くの謎の伏線をきれいに回収していく様はまさに圧巻と言えて、個人的には漫画史上に残る傑作として今後も長く語られる作品になる名作だと思います。
映画化やアニメ化もしており有名な作品なので多くの方が既に漫画を読まれていると思いますが、まだ未読の方にはぜひともお勧めできる作品です。
映画版やアニメ版はこちらです。
天国大魔境 /石黒正数
タイトル:天国大魔境
作者 :石黒正数
連載期間:2018年~
巻数 :既刊8巻(2022年2月現在)
未曾有の大災害により現代文明が崩壊した日本を舞台にした隔離した施設で育てられた不思議な力を持つ少年少女をめぐるSFミステリー漫画です。
世界は未曾有の大災害によって崩壊して現代文明は完全に破壊された中で、主人公の少年マルは便利屋を開業している少女キルコと共に「天国」と呼ばれる場所を探す旅を続けています。
世界が崩壊した後は政府は機能を失い、無法者が闊歩する秩序が無い世界となっており、人々は瓦礫となった建物から使える物を掘り出したり、インフラ施設を修理する等、過去の文明を頼りにした生活を続けています。
多くの人々は過去の文明と秩序ある生活の復活を願っていますが、大災害以降に出現するようになった人間の天敵である「人食い(ヒルコ)」と呼ばれる怪物の存在により、復興は思うように進まず停滞していました。
人々は「人食い(ヒルコ)」に対しては有効な対抗手段を持っていませんでしたが、マルは「人食い(ヒルコ)」に対して触れると致命傷を与えられる不思議な力を持っており、その力の謎や世話になった女性の遺言で「天国で同じ顔をした人間を探し、薬を打て」という約束を守る為に護衛者として便利屋のキルコを雇い、僅かな情報から「天国」と呼ばれる存在や自身の力の謎を追うことになります。
この漫画は「天国」と呼ばれる隔離した施設で生活する少年少女の様子と、秩序が崩壊した世界で「天国」と呼ばれる場所を探す主人公と場面が交互に入れ替わりながら物語が進みます。
「天国」の施設で生活する少年少女にはそれぞれ不思議な力が備わっており、園長と呼ばれる人物の元、厳格に管理された施設で教育を受けていますが、その施設の目的や不思議な力を持つ理由など、あらゆる情報が謎のまま物語が進みます。
主人公のマルはキルコと共に僅かながらの「天国」の情報を追って旅をする中で、少しずつ世界が何故崩壊したのか、人間の天敵である「人食い(ヒルコ)」の正体はなにかといった情報が明らかになり、様々な伏線が少しずつ拾われていく様はミステリー漫画としても非常に面白く続きが気になる展開が続きます。
この作品は「このマンガがすごい!2019」でオトコ編第1位にランクインしており、個人的には今後が楽しみな作品の一つです。
信長のシェフ /西村ミツル
タイトル:信長のシェフ
作者 :西村ミツル
連載期間:2011年~
巻数 :既刊22巻(2018年10月現在)
現在の料理人が戦国時代にタイムワープし、当時の有力大名である織田信長に仕え、戦国時代の歴史に介入していく壮大なグルメ料理&SF歴史漫画です。
主人公でフレンチ(西洋料理)の料理人である葛城賢一郎(ケン)は、永禄11年(1568年)の戦国時代にタイムスリップした際に自身の記憶を失ってしまいます。
自分自身が誰で、これまでどんな生活を送ってきたのかといった記憶は失っていますが、自分が平成の日本で生活していて、今いるこの地は過去である戦国時代であることは認識しており、知識や教養といった記憶は失っておらず、料理や野草の知識、日本史において大きな合戦や歴史上の出来事は覚えています。
ケンは料理の知識が深く、有機農法や調味料の作り方や当時の日本にはない食材を使った料理など幅広い料理とそれにまつわる知識を使うことで京の都で評判になるのですが、そのケンを織田信長は自分の料理頭に取り立てることになります。
この漫画は現在の知識と教養を持った料理人が、戦国時代真っ只中の1568年にタイムワープをするという突拍子もない展開から始まりますが、当時の歴史や文化を調べた上でのお話となっており、フィクションではありながら歴史をしっかりと土台にした物語となっています。
いきなり戦国時代に放り出された状態で一人で生き抜くために、料理人としてのスキルを使い当時の日本にはない料理方法や調味料を生み出し、京の都で評判になったことで、歴史上の人物である織田信長と関わりを持つことになるのですが、結果的にケンは歴史に介入することになり、史実とは異なる歴史展開を見せることになります。
歴史通りの結末ではなくなることが予想され、今後どのような物語展開になるのか、大変楽しみな漫画です。
2013年には実写ドラマ化しています。
望郷太郎 /山田芳裕
タイトル:望郷太郎
作者 :山田芳裕
連載期間:2019年~
巻数 :既刊5巻(2021年10月現在)
地球が大寒波により氷河期に突入したことで、地球全体が赤道付近も含めて完全に氷床や海氷に覆われた状態になる全球凍結した500年後を描いたSFサバイバル漫画です。
主人公の舞鶴太郎は舞鶴通商の創業家七代目でありイラク支社の社長として家族と共にバスラの街で生活を送っていましたが、地球全体に大寒波が発生して北半球が凄い勢いで凍り付く事態となります。
太郎は家族と共に南へ避難しようとしたところ、既に手遅れで南への移動手段が失われてしまった為、太郎はひそかに準備していた地下シェルターに避難します。
このシェルターは戦時下でも生き残れるよう研究機関に作らせたもので、冷凍冬眠装置も備わっており、地球の天候が回復するであろう1ヶ月の間、安全に生き残る為に冷凍冬眠装置に入ります。
そして冬眠装置から目覚めた太郎は周囲の様子がおかしい事に気が付き、状況を確認したところ、1ヶ月間眠るはずだった装置が西暦2525年の日時を差しており、一緒に冬眠した家族はミイラとなり死亡していました。
何らかのトラブルで気が付けば人っ子一人いない西暦2525年に放り出された太郎は、自らの命を断とうとしましたが、せめて日本に残っていた親族がその後どうなったを知ってから死ぬと誓い、一人中東から日本を目指して旅立ちます。
この漫画は何らかの原因で太陽の活動が弱まる事で地球が氷河期となり、地球上の海が全て凍り付く全球凍結したその後を描いた作品で、文明が滅びた世の中で中東イラクから故郷である日本を目指す物語となっています。
舞台となっている西暦2525年の世界では人類は完全に絶滅したわけではありませんが、かつての文明はすっかり失われ、狩猟採集で生活する石器時代に衰退しており、国や民族意識といったものまでが失われていました。
当然「お金」といった概念も無くなり、人が生きていくうえで必要な知識や原始的な道具が重要になった世界で、一人文明知識を持つ主人公が僅かに生き残った人類を頼りにユーラシア大陸をほぼ縦断する旅を始めます。
近未来を舞台にしたサバイバル漫画という位置づけで、氷河期で人類が衰退したその後を描いており、結末が楽しみな作品です。
食糧人類-Starving Anonymous- /原作.蔵石ユウ 漫画.イナベカズ
タイトル:食糧人類-Starving Anonymous-
作者 :原作.蔵石ユウ 漫画.イナベカズ
連載期間:2016年~2019年
巻数 :全7巻
地球温暖化が深刻化した現代日本を舞台として、人類が異星人により食料とされている事実を隠蔽した政府施設に囚われた主人公たちが脱出を試みるSFホラーサスペンス漫画です。
世界を取り巻く地球環境は悪化の一途をたどり、温暖化が進んだ結果、日本は3月にも関わらず真夏のような装いを見せています。
主人公で高校生の伊江は日々の日常生活を送る普通の高校生ですが、学校帰りに乗ったバスで突然意識を失います。
気が付くと、バスの乗客が全て食品工場のようなところに運ばれ、人間をまるでモノのように扱う職員と、人間をまるで食肉のように扱い解体されている姿を目にします。
この漫画はかなりショッキングなシーンが連続する漫画ですが、物語の冒頭でいきなり大きな謎の施設に囚われるところからスタートして、その施設の秘密と、施設の存在意義が次第に明らかになっていく展開が面白い漫画です。
人間を食糧として解体する職員も人間であり、何故そんなことをしているのか、そうした行為がなぜ世間にバレることなく隠蔽されているのかといった謎を少しづつ紐解きながら、黒幕がやがて明らかになります。
グロテスクなシーンが存在するので読者を選びますが、SFホラーサスペンス漫画として大変面白い作品です。
レッツ☆ラグーン /岡崎武士
タイトル:レッツ☆ラグーン
作者 :岡崎武士
連載期間:2007年~2019年
巻数 :全6巻
高校生が旅客船での修学旅行中に海難事故に遭い、無人島へ漂着してサバイバル生活を送るのですが、時空をが絡むSF要素のある物語に展開します。
主人公で高校生の山田壮太は旅客船での修学旅行中に船から放り出される事故に遭い、無人島に漂着することになります。
壮太は救命ボートの残骸から7日分の食料が入ったサバイバルキットを手に入れ、一人で無人島生活を送りますが、漂着4日目に同じく遭難して漂着した同級生の衣舞瀬チカと出会い、水源を確保し食料の確保等を行い生き残るための基盤を作ります。
遭難10日目に壮太は海岸近くで突然霧に巻き込まれて海に落ちるのですが、海から上がるとそこは事故直後の旅客船のそばの海中でした。
壮太は船から投げ出されて15分後に救出されたことになっており、10日間に及ぶ無人島でのサバイバル生活が無かったことになっていました。
その後、行方不明のチカの捜索は打ち切られるのですが、チカとの10日間に及ぶバイバル生活が幻想とは思えない壮太は真実を知るために動き出します。
この漫画はただの遭難事故でのサバイバル漫画と思わせながらストーリーが進むのですが、突如としてSF要素であるタイムスリップが加わります。
壮太とチカはだだ遭難しただけではなくてタイムスリップによって、無人島にたどり着き、無人島では実は時間軸の異なる壮太登場するなど、サバイバルマンガでありながらSFミステリー要素も含む大変面白い展開となります。
「サバイバル×時間軸×青春×恋愛」等の様々な要素が絡むマンガで、今後の展開が大変気になるマンガです。
サムライせんせい /黒江S介
タイトル:サムライせんせい
作者 :黒江S介
連載期間:2013年~2020年
巻数 :全8巻
幕末の有名人物である武市半平太が平成の世にタイムスリップして、現代の日本文化に困惑しながらも人々との交流を描く「SF×歴史×コメディ」漫画です。
主人公の武市半平太は土佐藩出身の志士で今から150年ほど前の幕末で尊王攘夷運動の中心人物でしたが、吉田東洋暗殺の黒幕との罪状で投獄されます。
しかし同志の結束は固く、武市半平太は暗殺の黒幕としての自白は得られないものの、処罰されることは避けられず投獄生活が長引く中、ある日目が覚めると平成の日本にタイムスリップしていました。
武市半平太は当初潜伏していた尊王攘夷運動の同志の手引きで脱獄出来たと思いましたが、150年後の日本には自動車や電柱など見慣れぬ物が街中な溢れており、侍として風体が目立つ事から不審人物として警察に追われることになり、獄中生活が長かったこともあり道端で意識を失った武市半平太は、世話好きで学習塾を経営する温厚な老人・佐伯に助けられます。
ひょんなことから佐伯の身内ということで匿われたことで武市半平太は平成の世で生活基盤を確保することになり、学習塾に通う子供や多くの人々と交流を持つようになります。
この漫画は幕末の有名人物がそれぞれ異なる時間軸から平成の時代にタイムスリップする物語で、幕末の日本の歴史で尊王攘夷運動がどういったものであったのかを知ることの出来る作品となっています。
SFの要素であるタイムスリップの要因などには一切触れることなく「歴史上の人物が現在に現れたらどうなるのか?」という事に焦点を絞った作品で、歴史漫画というよりもコメディ漫画の要素が強いと言えます。
主人公が幕末の有名人である坂本龍馬ではなく、悪役として描かれている事が多い武市半平太にしているところが大変面白く、武市半平太の性格や成し遂げた偉業などを知ることが出来るので、武市半平太について詳しく知らない方にとっては興味深いと思います。
この作品は幕末に活躍した人物達がそれぞれどのような関係であったのか、どのような思想で尊王攘夷運動を行っていたのかを知ることが出来るので、幕末の日本史に興味がある方には大変おすすめの作品です。
実写ドラマ版はこちらです。
地球の放課後 /吉富昭仁
タイトル:地球の放課後
作者 :吉富昭仁
連載期間:2010年~2012年
巻数 :全6巻
謎の生命体「ファントム」が現れたことで地球上から人類が消滅した世界に残された男女4人の生活を描いたSFサバイバル漫画です。
川村正史、早苗、八重子、杏南の1男3女は「ファントム」と呼ばれる謎の生命体の襲撃により人類が消滅した世界で助け合いながら生活を送っています。
街中に菜園を作って野菜を作り、無人となったスーパーから食料を確保するなど、物資が豊富な東京でのサバイバル生活を送る事となります。
ファントムの正体は何なのか?消えた人類はどうなってしまったのか?物語が進むにつれて様々な謎が次第に明らかになっていきます。
このマンガは悲壮感の無い日常系サバイバルを描く内容ですが、根底にSFミステリーの要素があり、何故人類が地上から消滅したのか、「ファントム」の正体は何なのかといった謎が大きなテーマとなっています。
インフラが無くなった東京が舞台ですが、物資は残っており街も大きく荒廃していないので、サバイバル生活と言いながらも文明的な生活を送ります。
物語の終盤で「ファントム」の正体や、川村正史、早苗、八重子、杏南の1男3女がなぜ地球に残されたのかという理由が明かされ、SF漫画としても大変面白い内容となっており、大変お勧めのマンガです。
All You Need Is Kill /原作.桜坂洋 漫画.小畑健
タイトル:All You Need Is Kill
作者 :原作.桜坂洋 漫画.小畑健
連載期間:2014年
巻数 :全2巻
「ギタイ」と呼ばれる異星人による攻撃を受けている地球が舞台のSF漫画です。
統合防疫軍に所属する主人公キリヤ・ケイジは初陣で特殊なギタイと相打ちをして戦死しましたが、何故か気が付くと初陣の前日に戻っていました。
その後も死んでも「初陣の前日に戻る」ということが繰り返され、やがてキリヤは戦場から逃れようとしますが、「ギタイ」はキリヤを狙うかのように目の前に現れ、そして殺されることになります。
キリヤは覚悟を決め、「ギタイ」を倒すために”死んでも記憶を得たまま時間をさかのぼる”ことを利用して経験を積み重ねます。
その結果、死を繰り返すことで新兵でありながらベテラン兵の働きぶりをして活躍するようになります。
その後US特殊部隊のリタと出会い、リタはキリヤがループしていることを見破ります。
リタは過去に時間のループを経験したことがあり、ループの現象の正体と逃れる方法を知っており、キリヤに協力することになります。
このマンガは桜坂洋の小説が原作で小畑健がマンガを担当しています。
世の中には様々なループもののお話がありますが、小説が発表された2004年では比較的新鮮な設定だったと思います。
初めて日本のライトノベルがハリウッド映画として映像化されるということで、映画版の発表の際は話題になりました。
桜坂洋はゲームから小説のアイデアが浮かんだそうで、主人公が戦闘経験を積むことでベテラン兵士として成長していく過程はゲームのそれと同じように思えます。
小説の内容と漫画の内容は同じですが、映画はアレンジが加わっています。
お手軽に楽しみたい人は、「マンガ読んでから映画をみる」というコースをお勧めします。
小説版はこちらです。
ハリウッド映画版は後半はほぼオリジナルストーリーです。
時間島 /原作.椙本孝思 漫画.松枝尚嗣
タイトル:時間島
作者 :原作.椙本孝思 漫画.松枝尚嗣
連載期間:2014年
巻数 :全1巻
かつて炭鉱として栄えた孤島を舞台に、閉鎖空間での連続殺人事件とタイムワープが絡むSFミステリー・サスペンス漫画です。
主人公でADの仕事をしている佐倉準は廃墟の島「矢郷島」でのテレビ番組の撮影の為に撮影スタッフや役者の9名と共にロケの為訪れています。
佐倉は地底湖で会社から支給されていた携帯電話を落としてしまうのですが、地底湖に落としたはずの携帯から突如動画メールが送られ、5年後の未来にいるというミイラ姿の人物から、ロケ参加者の9名が皆殺しにされると予言されます。
この廃墟の島は以前から神隠しなど不思議な現象が起きていた島で、島民からは「時間島」と呼ばれている島でした。
ロケ参加の9名は嵐の為に足止めされて、島から出れずに次々と災難に見舞われ命を落としていきます。
この漫画は基本は孤島という閉鎖空間を舞台にしたミステリー・サスペンスものなのですが、そこにタイムワープという時間の概念が加わったSFミステリー・サスペンス漫画です。
2010年に出版された小説が原作で、全1巻にまとめられた内容になっています。
地底湖に落とした携帯電話は5年後にタイムワープし、その携帯電話を通してミイラ姿の謎の人物から動画メールが送られ、その人物はロケ参加者9人の中の唯一の生き残った人物で、その人物から未来を変えるために9人の中から犯人を見つけるよう言われます。
物語の大筋である殺人犯を見つけるミステリー・サスペンスのストーリーに、SF要素である時間の概念をストレートに加えた内容で、全1巻とコンパクトにまとまっている面白い作品です。
ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ /原作.餅月望 漫画.杜乃ミズ
タイトル:ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~
作者 :原作.餅月望 漫画.杜乃ミズ
連載期間:2019年~
巻数 :既刊6巻(2023年6月現在)
政治の腐敗により民衆の不満が元で革命が起きた結果国が崩壊し、3年間幽閉されて20歳で処刑される帝国の皇女が死後時間を遡り8年前に戻り再び人生をやり直すファンタジー×転生×SFと様々なジャンルが織り交ざった漫画です。
主人公のミーア・ルーナ・ティアムーンはティアムーン帝国の第1皇女として贅の限りを尽くした生活と自由奔放でわがままな性格から民衆や臣下から蔑まれ、17歳の時に民衆が発起した革命に近隣国が介入したこともあり、内戦が起きて帝国は崩壊します。
ミーアは逃亡時に捉えられて投獄され、3年後に民衆の見守る処刑場の広場で断頭台で首を落とされるですが、気付くと12歳の姿に戻っていました。
当初は長い悪夢をみていたと考えたミーアでしたが、古ぼけた日記帳が手元にあり、その日記は断頭台で処刑されるまでミーア自身が書いた内容で、帝国でこれから起こることや自分自身の身に起こる出来事が記載されていました。
12歳の自分に転生したミーアは2回目の人生を送ることになりましたが、斜陽の帝国の未来を救ったり民衆を飢饉から救うという崇高な考えは無く、我が身を安全第一に考えて
将来断頭台で処刑される運命を回避する為に仇敵を遠ざけ人脈作りに奔走します。
この漫画は皇女としての地位を利用してわがままし放題であった主人公が革命により処刑されますが、死後に8年前の自分自身に転生したことで人生をやり直すお話しです。
世界観としては中世ヨーロッパを基軸としたファンタジー漫画ですが、時間軸が含まれるSFタイムループ物の内容が含まれています。
ミーアは断頭台に送られて処刑される20歳までの未来を知っており、再びやり直した人生では前世の記憶を武器にして自身の運命に抗います。
ミーアの手元には処刑されるまで書いていた古ぼけた日記帳と、新しい日記帳があり、新しい日記帳に書いた内容が古ぼけた日記帳にも影響を与え、これからの未来で起こる出来事が書き換わって行きます。
ミーア自身が過去を変えても未来では別の問題が起こり、最後は断頭台に送られる運命となっていることから、前世の記憶から自身を処刑台に送ることになる人物との接触を避けて、処刑間際まで忠義を尽くしてくれた臣下を皇女の庇護下に置くことで身近なところから将来にわたり忠義を尽くしてくれる信頼がおける人物で固めます。
ミーアは将来破滅のしないように自身の保身の為に様々な行動を取った結果、自分の運命だけでなく帝国を初めとする周辺刻にも大きな影響を与えていくご都合主義的な展開が続く作品ですが、安定した面白さがあり今後の展開が気になる漫画です。
小説版はこちらです。
レベルE /冨樫義博
タイトル:レベルE
作者 :冨樫義博
連載期間:1995年~1997年
巻数 :全3巻
山形県を舞台にした宇宙人の王子の騒動に巻き込まれる主人公を中心としたオムニバス形式で展開されるSF物語です。
主人公で高校生の筒井雪隆は高校への進学で親元を離れて一人暮らしを始めることになりますが、引っ越したその日に契約したはずの部屋で生活している男に出合います。
この男は宇宙人の王子であることを語りますが、雪隆は信じられずにいました。
しかし、この王子を巡って護衛やさらには山形を縄張りとする好戦的な宇宙戦闘民族ディスクン星人まで動き出すことになります。
雪隆の穏やかな高校生活は一変して地球の命運にも絡む騒動に巻き込まれることになります。
この漫画はHUNTER×HUNTERで有名な冨樫義博の漫画で、時期的には幽遊白書とHUNTER×HUNTERの間に連載されたマンガです。
物語が面白くて良く練られており、週刊少年ジャンプで連載中も不定期な感じでしたが、大変話が面白くてオムニバス形式で展開されるので、楽しみにしていたのを覚えています。
シリアスな絵柄でありながら内容は非常にコミカルで全三巻と短いですが満足度の高いマンガです。
2011年にアニメ化されました。
地底旅行 /原作.ジュール・ヴェルヌ 漫画.倉薗紀彦
タイトル:地底旅行
作者 :原作.ジュール・ヴェルヌ 漫画.倉薗紀彦
連載期間:2015年~2017年
巻数 :全4巻
主人公のアクセルは鉱物学の学者である伯父のリーデンブロック教授のもとで助手をしていました。
ある日リーデンブロックは古書を手に入れ帰宅します。
この古書には16世紀の錬金術師が書き残した暗号文のメモが挟んであり、この暗号を解読したところ内容は驚くべきもので、「スネッフェルス山にある火口の中を降りていけば、地球の中心に到達できる」と言うものでした。
好奇心が抑えきれないリーデンブロックは、すぐに出発することを決めてアクセルと共にスネッフェルス山があるアイスランドへと向かいます。
アイスランドに着いたリーデンブロックとアクセルは現地の猟師であるハンスを雇い、スネッフェルス山に案内してもらい、噴火口から地球の内部への入り口を見つけることになります。
このマンガはジュール・ガブリエル・ヴェルヌの小説「地底旅行」を倉薗紀彦がコミカライズした作品です。
「地底探検」は約150年前の小説ですが過去何度か映画化されており、有名な「センター・オブ・ジ・アース」も「地底探検」が原作となっています。
古典SFとして時代を超えて良さが伝わる冒険物語で長年支持されている作品で、物語の展開が面白く次々と想像を超える出来事が起きるので、読んでいてわくわく感が止まりません。
マンガの絵柄は骨太で非常に硬派で迫力があり、緻密に描きこまれた描写はまさに「地底探検」という古典SFの作風にぴったりです。
地底旅行が映像化されています。
ゴールデンゴールド /堀尾省太
タイトル:ゴールデンゴールド
作者 :堀尾省太
連載期間:2015年~
巻数 :既刊9巻(2023年4月現在)
瀬戸内海のとある島に住む少女が謎の置物を見つけることで始まる、SFミステリーサスペンスホラー漫画です。
主人公で中学3年生の早坂琉花は人の心の動きに敏感で、広島の中学校に通っていましたが不登校になり、父方の祖母が住む寧島に移り住みます。
琉花は寧島で出会った同級生の少年・及川に恋をしますが、及川は琉花を友人としか見ておらず、関係が進展することはありませんでした。
ある日、琉花は海辺で謎の置物を拾い、山中の祠に祀って及川との関係が進展するように祈りを捧げたところ、置物は命を宿して動き出して琉花の家に住み着く事態になります。
しかし島民には「50代ぐらいの小柄な男性」として見えるようで大きな問題にはならず、同時にどういったわけか、琉花の祖母が営む民宿や雑貨店が繁盛し始めます。
置物はやがて「フクノカミ(福の神)」と名付けられ、どこか禍々しく怪しい動きで島民たちを操り始めます。
このマンガはジャンルの幅が非常に広く、SF要素やホラー要素のある内容でジャンルを絞りにくい漫画です。
フクノカミは島民からは「50代ぐらいの小柄な男性」と映りますが、島民以外の人々には「動く謎の人形」として映っています。
この「フクノカミ」には富をもたらす力があり、フクノカミが住み始めたことで祖母が営む民宿や雑貨店が繁盛し、やがて島全体を巻き込んだ事業へと発展しようとします。
謎のフクノカミがどのような存在で結末がどうなるのかが大変気になるマンガで、ホラー要素は若干ありますがそれほど抵抗なく読める内容となっています。
亜人 /桜井画門
タイトル:亜人
作者 :桜井画門
連載期間:2012年~2021年
巻数 :全17巻
1990年代にアフリカの戦場で死なない生物「亜人」が確認され、世界中で大騒ぎになります。
亜人は死亡すると驚異的な再生能力で即座に蘇る特性を持ちますが、死なない限りその特殊な再生能力が発揮されないため、死亡するまでその人物が亜人であるかどうかを知ることが出来ません。
高校生で主人公の永井圭は下校途中で交通事故に遭い死亡しますが、事故直後に肉体が再生して蘇り自身が亜人であることを知ることになります。
この事故は多くの人に目撃されて圭が亜人であることが報道されてしまいます。
亜人は希少であるため懸賞金がかけられており、政府や警察などの国家組織が捕獲しようとします。
圭は日常が崩れて逃亡生活を送ることになりますが、「帽子」と呼ばれる男が接触してきます。
このマンガでは「亜人」と呼ばれる「人の姿をしているが人ではない生き物」が人間社会の中に紛れ込んでいるという事実がわかってからしばらくした世界が描かれており、圧倒的な少数で「人ではない生き物」に対する世間との対立や扱いがリアルに描かれています。
亜人は死なないが、死亡後に即座に再生して蘇るだけなので死ぬまでは痛みを感じて苦しむことになり、「不死身で強い生き物」で万能という感じではなく、世間から「追われる生き物」として描かれます
このマンガは戦闘の描写が細かく迫力があり、物語全体を通して緊張感が続き、読者を引きつけます。
また「黒い幽霊」と呼ばれる亜人特有の能力が登場して戦闘がより過激になり、戦いが主体の展開になります。
「亜人」という謎が解明されていくのか、今後の展開が気になる漫画です。
アニメ版はこちらです。
映画版はこちらです。
テセウスの船 /東元俊哉
タイトル:テセウスの船
作者 :東元俊哉
連載期間:2017年~
巻数 :既刊8巻(2019年7月現在)
28年前にタイムスリップした主人公が、自分の父親が犯した1989年の大量殺人事件の真相を追うSFミステリー漫画です。
主人公の田村心の父親は児童含む21人を毒殺した「史上最悪の殺人事件」の犯人である佐野文であり、心と兄妹は「史上最悪の殺人事件の犯人の子供」として幼少の頃より世間から叩かれて生活を送ってきました。
1989年当時警察官として北海道の音臼村に駐在していた佐野文は、事件の犯人として逮捕され、その時から佐野の妻と子供たちは世間から逃げるように生活を送ります。
その息子である心は28歳になり、妻の死をきっかけに佐野文の冤罪の可能性を感じて独自に調査を始める為に音臼村に訪れますが、突如濃霧が発生して気が付くと1989年にタイムスリップしていました。
このマンガは父親が大量殺人犯として世間で大きく報道され、そのことで引っ越しを繰り返してきた妻とその子供たちの生活に触れられており、父親で殺人犯の「佐野文」との関りを限りなく消しながら生活を送る描写が非常にリアリティがあります。
心が生まれた時には父である佐野文は逮捕されており心は父に会ったことは無く、タイムスリップした1989年の音臼村で初めて父親を目にすることになります。
父との会話の中で犯人が父ではないと感じた心は、冤罪の可能性を信じて事件の真相と真犯人を追うため1989年の音臼村にとどまることを決意します。
ドラマ版はこちらです。
プラネテス /幸村誠
タイトル:プラネテス
作者 :幸村誠
連載期間:1999年~2004年
巻数 :全4巻
人類が宇宙開発を進め月面での資源採掘を行うようになった2070年代が舞台のSF漫画です。
人類は宇宙開発を進め月や火星には居住施設を作り、木星への有人探査計画も進めている時代になっていました。
宇宙ステーションや月面には多くの人たちが生活し、様々な仕事をするようになり、宇宙で仕事をするというのが特別なことではなくなった時代の物語です。
そのような宇宙開発で生まれたスペースデブリ(宇宙空間のゴミ)が地球軌道上にあふれて、宇宙船に衝突する事故が起きて社会問題となっていました。
主人公の星野八郎太は宇宙で働くデブリ回収業者のサラリーマンで「自家用宇宙船を手にする」という夢を追いながら仲間と共に仕事を続けていました。
仕事中の事故に巻き込まれたことがきっかけで自分の内面を見つめ直すことになり、周囲の人間に支えられながら仲間と共に成長していきます。
このマンガは近未来のお話ですが、科学水準が現在と桁違いにかけ離れていない為、物語の中での生活の描写がある程度身近に感じられます。
SF漫画ではありますが物語のテーマとして人間ドラマや哲学の要素が大きく、人の感受性や物事のとらえ方など、非常に感銘を受けるお話が多いです。
私はこのマンガの第2話がとても好きで感銘を受けました。
第2話の内容を一言で説明すると「幸福や不幸というものは”周囲の状況”で決まるのではなく”事象を受け止める人の心”で決まる。」という内容です。
SF漫画でありながら哲学的な内容のお話が多く、何度も読み返したくなる漫画です。
2003年にアニメ化しています。
七夕の国 /岩明均
タイトル:七夕の国
作者 :岩明均
連載期間:1997年~1999年
巻数 :全4巻
大学生で主人公の南丸洋二は「新技能研究会」部長で、どんなものにも小さな穴をあける”超能力”を持っています。
まぎれもない超能力ですが取るに足らない内容の為、仲間内の遊びで終わっていましたが、同じ大学の教授も同様の能力を持ち、南丸よりも大きな穴をあけることが出来ました。
その教授は超能力のルーツを調べるために消息を絶ちます。
南丸とゼミ仲間は「丸神の里」と呼ばれている丸川町を訪れ、教授の痕跡を探しますが、そこで南丸が丸神の里の大名の末裔ということがわかり、思わぬ歓迎を受けます。
丸神家の末裔の持つ超能力の秘密と教授の消息を探る為に、丸神の里へ深入りしたことで様々な事件に巻き込まれていきます。
このマンガは全4巻と比較的短いお話なのですが、第1話の段階で最終話までのネームができていたのかと驚くぐらいまとまった構成と伏線の回収が行われます。
前半で出てきて様々な伏線を後半で怒涛の勢いで回収していく様は圧巻で、話に無駄な話数もなく4巻できっちりと終わらせ読み終わった直後の満足感が高いです。
このマンガの中で出てくる超能力は2つあり、一部の人間しか使えない「手が届く」力と、丸神の里の住民の多くが持つ「窓の外を見る」力があり、この2つの力をめぐる物語なのですが、「手の届く」力は使い続けると人間としての容姿を失っていきます。
この2つの力の名前がなぜそのような名前なのかということが後半で明らかになっていきます。
砂ぼうず /うすね正俊
タイトル:砂ぼうず
作者 :うすね正俊
連載期間:1997年~2020年
巻数 :全22巻
数百年後の地球を舞台としており、文明が崩壊して終末を迎え、砂漠化が進み砂の海に沈んだ関東平野で便利屋という名の傭兵業を営む主人公が活躍するSFミリタリー漫画です。
主人公の水野灌太は凄腕の若手便利屋として生計を立てており、”砂漠スーツ”と呼ばれる特殊なスーツを身にまとい、日中の極度の乾燥と夜間の極寒を繰り返す過酷な砂漠環境の中、血なまぐさい依頼も含む様々な仕事を請け負っています。
旧文明の遺産を運用する城塞都市「オアシス」が支配する階級社会の中、人々は争いを続けており、オアシスの管理外では無政府状態とも言える秩序の無い状態が続いています。
そんな弱肉強食の世界で灌太は「砂ぼうず」と呼ばれ、金と名誉のためなら何でする強かさで関東大砂漠の世界で一人生き抜きます。
この漫画は人類が文明の絶頂期を迎えた後に崩壊した地球が舞台となっており、旧文明は全て砂漠の砂に埋れてしまっており、人々は旧文明の遺跡から発掘されたテクノロジーを使って生き延びています。
「オアシス」と呼ばれる政府組織の存在はありますが、国家としての規模ではなく、人々は毎日を生き抜くために弱肉強食とも言える厳しい世界でたくましく生き抜いています。
この漫画は銃器や兵器等の描写には強いこだわりを感じられる作品で、ミリタリーマニアの方から見ると興味深い内容が多く、戦闘シーンは大変迫力があります。
連載は現在も続いており、結末がどうなるのか気になる漫画です。
この漫画は2004年にアニメ化しています。
宇宙兄弟 /小山宙哉
タイトル:宇宙兄弟
作者 :小山宙哉
連載期間:2008年~
巻数 :既刊41巻(2022年7月)
近未来の日本のJAXAやアメリカのNASAなどの宇宙開発組織が舞台のSF漫画です。
主人公の南波六太は弟の南波日々人と共に幼少の頃に謎のUFOを目撃したことがきっかけで「一緒に宇宙飛行士になろう」と誓い合います。
そして19年後の2025年に日々人は宇宙飛行士になる夢をかなえます。
日々人は月面長期滞在クルーの一員として歴史に名を残そうとしていましたが、六太は日々人を侮辱した上司に頭突きをしたことが原因で勤めていた会社を退職して無職となっていました。
そんな鬱屈した日々を送る六太の下にJAXAから宇宙飛行士選抜の書類審査通過の通知が送られてきます。
これは幼少の頃に立てた誓いを忘れていなかった日々人が六太の知らぬところで応募していたものでした。
宇宙飛行士になることを諦めていた六太は再び宇宙飛行になることを決意し動き出します。
このマンガは日本のJAXAやアメリカのNASA等、実在する組織を舞台としたお話で、ものすごく取材がされており、近未来のお話ですが現在の科学水準からそれほど変わることが無く、現実のように受け入れられます。
国際宇宙ステーションや実在する宇宙関連施設が登場し、現在のNASAやJAXAが抱えている問題や今後の宇宙開発の未来がどうなっていくのかを知ることが出来ます。
宇宙飛行士になる為にはどういったことが必要なのか、どのような訓練をするのかと言った一般人では知り得ることがない宇宙飛行士の日常を知ることが出来るマンガで、将来宇宙飛行士を目指したいと考えている小中高生にはお勧めできる内容です。
この作品は2012年に実写映画化しており、同年にはアニメ化もしております。
BLAME! /弐瓶勉
タイトル:BLAME!
作者 :弐瓶勉
連載期間:1997年~2003年
巻数 :全10巻
遥か未来の地球が舞台のハードSF漫画です。
大地は建物に覆われ機械による都市の建築が果てしなく続き階層化され、巨大なネットワークが都市構造をつなぎ、「ネットスフィア」と呼ばれるネットワーク社会を「統治局」が管理していましたが、「厄災」により「ネットスフィア」は機能不全に陥り人類は感染症の蔓延によりネット端末に接続するための遺伝子が失われ、ネットワーク社会が崩壊します。
「ネットスフィア」の制御が失われた結果、建設機械は都市構造の増築を繰り返し、やがて月をも内部に取り込むほどに膨れ上がります。
生き残った人類は「ネットスフィア」から不法居住者とみなされ、セキュリティの観点から排除される対象となっています。
こうした状況を救うために、主人公の霧亥はネット端末に接続できる感染前のネット端末遺伝子を求めて探索を続けることになります。
このマンガのストーリーは単純で目的もはっきりとしているのですが、世界を取り巻く情勢と、なぜそのような世界が構築されたのかがはっきりと説明されておらず、漫画世界の造語的が多く登場して理解が追い付かない箇所がいくつかあります。
セリフが非常に少ないマンガなのですが時折世界設定を語られる描写があり、その情報を読者がつなぎ合わせて「BLAME!」の世界を想像して理解を深めていくことで、読者もそのSFの世界をリアルに想像することになります。
このマンガの魅力は何と言っても「巨大建築物」で、作中では建設者という機械が無作為に都市を増築していますが、その都市がどれぐらい大きさなのか細かく語る描写はありません。
作者の弐瓶勉は「ある意味、「BLAME!」の主人公は建物かもしれない」と述べており、どこまで続くとわからない巨大都市はSF好きにはたまらない世界観です。
百万畳ラビリンス /たかみち
タイトル:百万畳ラビリンス
作者 :たかみち
連載期間:2015年
巻数 :全2巻
大学生で人との関わりが苦手な主人公の礼香はゲーム会社でバグ探しのアルバイトをしていました。
ある日突然ゲーム会社の寮が畳敷きで構成された未知の木造建造物に変化し、上下も無くなり無限に畳の間が続く不思議な空間に閉じ込められてしまい、一緒に閉じ込められたアルバイト仲間の庸子と共に、脱出を試みます。
この不可思議な木造迷宮では常識では起こりえない現象が起こります。
階段の先に人影が見えたので追いかけるが、一向に近づかないと思いきやその人影が自分たちであったり、壁の一部をはがすと別の空間が広がっていたりします。
礼香は普段は何かと抜けた性格でだらしない女性ですがゲームがとにかく好きで、ゲームに対する好奇心とバグを見つける天性の勘が鋭く、この不可思議な木造迷宮の攻略に意気揚々と突き進んでいきます。
この漫画で登場する”不可思議な木造迷宮”はファミコン世代から現在のプレステ4世代のゲーマーまで、一度は経験したゲームならではの「ルール」「法則」「表現」が詰まっており、思わず「にやっ」としてしまう演出がもりだくさんです。
また、木造迷宮の攻略方法がゲームの攻略の王道のであったり、ゲーム特有のバグを利用した斬新な方法であったりと、読んでいて「ああ、なるほど!この方法で攻略するか!」と感心させられます
良くある”閉じ込められた空間からの脱出”を題材にしたマンガは、テーマがホラーであったり残虐でグロテスクな内容が多いですが、このマンガは最後までそのような描写が無く、ジャンルはSFミステリーなのに非常に明るい雰囲気で安心して楽しめます。
とにかく世界設定が面白く、ゲームの世界が空間として存在するとまさにこんな”物理法則”の世界になるんだろうーなーと想像を掻き立てられます。
話が進むにつれて、次第にこの不可思議な木造迷宮の正体が明らかになっていき、最後にはこの木造迷宮の謎が解明されるのですが、思わず舌を巻く内容で結末が非常に面白く鳥肌ものでした。
少女終末旅行 /つくみず
タイトル:少女終末旅行
作者 :つくみず
連載期間:2014年~2018年
巻数 :全6巻
文明が滅んだ世界が舞台で、主人公であるチトとユーリが二人で崩壊した世界を生き抜く日常を描いたSF漫画です。
世界がどうして滅んだのか、人はどこに行ってしまったのか、そういった謎がある中、彼女たちは生きる為に半装軌車・ケッテンクラート(履帯式オートバイ)に乗って廃墟となった都市をさまよい、食料を求めて移動し続けます。
旅の途中で過去の遺物が残る都市や、人がいなくなっても動き続けている施設などを見つけることがありましたが、彼女たちはそこにはとどまりません。
かつて人が住んでいた都市からは音が消え、朽ちて廃墟となった場所に残された二人は世界の終末を見ながら旅を続けます。
文明が崩壊した終末世界を題材にしたSFサバイバル漫画ですが、ここにさらに「日常系」の要素が加わり、悲壮感が全くない「日常系ほのぼのSFサバイバルマンガ」という一風変わった作品です。
物語の冒頭ですでに文明は崩壊しており、人の痕跡が存在しない中で二人は旅をしながらかつて人類が繁栄していたであろう都市を食料を求めてさまよい、過去の遺物や人の痕跡を見つけながら旅を続けるお話です。
この世界では彼女たち以外にまったく人がいないわけではないですが、ほぼ人の気配が消えた世界を行きたい場所があるわけでもなく、助け合いながら先の見えない旅をのんびりと続けます。
この世界はなぜ崩壊したのか、最後はどのような結末を迎えるのか、今後の展開が気になるマンガです。
アニメ版はこちらです。
銀河英雄伝説 /原作.田中芳樹 漫画.藤崎竜
タイトル:銀河英雄伝説
作者 :原作.田中芳樹 漫画.藤崎竜
連載期間:2016年~
巻数 :既刊26巻(2023年6月)
遠い未来、宇宙に進出した人類は皇帝と貴族が支配する「銀河帝国」と、銀河帝国から脱出した人たちが建国した「自由惑星同盟」に分かれて150年間近く戦争を続ける壮大なスペースオペラ漫画です。
この物語にはそれぞれの陣営に”ラインハルト・フォン・ローエングラム”と”ヤン・ウェンリー”の二人の主人公がいます。
帝国の貧しい貴族として生まれたラインハルトは、姉が皇帝の後宮に収められたことをきっかけに、幼馴染のと共に軍人の道を歩み始めます。
いつか皇帝から姉を取り戻す権力を持つ為に戦場で武勲を重ねて20歳にして帝国軍元帥の地位を手に入れます。
一方のヤン・ウェンリーは、歴史家を志す青年でしたが経済的な理由で士官学校に入学し、そこで思わぬ功績を立てたことで宇宙艦隊の幕僚となり、帝国軍との戦いで功績を挙げたことで若くして艦隊司令官に抜擢されることになります。
それぞれの陣営に同時期に誕生した二人の英雄ラインハルトとヤンにより、膠着した銀河の歴史は大きく動き始めます。
このマンガは田中芳樹によるSF小説が原作で、過去すでに道原かつみによりコミカライズされていますが、2016年より藤崎竜がマンガを担当した作品が出ています。
藤崎竜のマンガでは差別化としては物語に原作の外伝の内容が加わり、ラインハルトの幼少期から物語が始まり原作通りの時系列順に話が進みます。
この作品は遠い未来の宇宙を舞台にした架空の歴史小説という体裁がとられており、多くの登場人物複雑に絡み合い、それぞれの陣営の政治や軍組織の中での人間ドラマが非常に魅力的です。
また、戦争がテーマの一つでもあり、戦場は宇宙艦隊同士の戦いが行われるのですが、
数万隻の艦艇同士が会戦する内容で、手に汗握る攻防が繰り広げられます。
二人の英雄が今後どうなるって行くのか、銀河の未来はどうなるのか、今後の展開が楽しみなマンガです。
過去に長編アニメ化されています。
orange -オレンジ- /高野苺
タイトル:orange -オレンジ-
作者 :高野苺
連載期間:2012年~
巻数 :既刊6巻(本編5巻)
長野県松本市が舞台の高校生の青春を描いたSF青春恋愛漫画です。
女子高生の主人公、高宮菜穂は2年生になった4月の始業式の日に自宅のポストで手紙を受け取りますが、その手紙の差出人が10年後の自分からでした。
手紙の内容は26歳となった10年後の自分は後悔をしており、16歳の自分に対して同じ後悔をしてほしくない為に、今後菜穂に起きる事やそれに対しての行動選択が書かれていました。
菜穂は、初めは誰かのいたずらと思っていましたが、手紙に書かれていた通り始業式の日に成瀬翔が転校してきます。
手紙には菜穂は翔を好きになることや、翔が17歳の冬に自殺とも疑われる事故で亡くなったことが書かれており、10年後の菜穂は翔の死を防げたのではないかと後悔していることが書かれていました。
10年後の自分から届いた手紙の目的は翔は事故から救うことと分かり、菜穂は未来を変えるため手紙に書かれている行動を選択するよう努力することになります。
このマンガは青春恋愛もののマンガがベースですが、「未来の自分から届いた手紙」というSF要素が加わったマンガ作品です。
手紙に書かれている内容はその時々で未来を決定づける出来事と、その時に取るべき行動内容が書かれているのですが、全ての行動選択ができたわけではなく、さらに指定された行動をとることで未来に変化があり、予測していないことが起きるなどタイムパラドックの要素も含まれています。
SFの要素としては「未来からの手紙」「タイムパラドック」といった限られた内容なので、青春恋愛マンガとして楽しめます。
この作品は2015年に実写映画化しており、2016年にはアニメ化もしております。
懲役339年 /伊勢ともか
タイトル:懲役339年
作者 :伊勢ともか
連載期間:2014年~2015年
巻数 :全4巻
この漫画は「魂の輪廻」「生まれ変わり」といった事が信じられている架空の国が舞台のSF漫画です。
この国では神の教えである「教典」を真理として、「魂の輪廻」「生まれ変わり」が信じられており、大きな犯罪を犯した罪人が刑期を終えることなく獄死した場合は、その大罪人の魂の生まれ変わった者を見つけて再び投獄されることになります。
ハロー・アヒンサーは神の教えである「教典」に背き懲役339年を言い渡され、33歳で投獄されて53歳の時に獄中死します。
初代ハローが死んだ直後に、身体的特徴が初代ハローと一致していことが理由でハローの生まれ変わりとして生後間もない赤子が二代目ハローとして監獄へ収監されることになります。
オリジナリティが高く「魂の輪廻」「生まれ変わり」といったあまり扱わない内容をテーマにした壮大な物語です。
刑期を残したまま罪人が獄死すれば、その生まれ変わった者が罪人として投獄され、初代ハローで始まった懲役339年という刑期により何代ものハローの生まれ変わりとされた人々が収監されることになります。
二代目以降のハロー達は罪の意識も無く、前世での記憶もないのですが、罪を償うために牢獄で生活することを余儀なくされ、生きることの意味とはどういうものなのかを問いかけます。
神の教えについて疑問をもつ者もいますが、長期にわたり神の教えである「教典」を真理とされていることで、数百年にもわたりこの慣習が続きます。
読み終えた後は今まで感じたことのないような何とも言えない満足感を味わえるマンガです。
星を継ぐもの /原作.ジェイムズ・P・ホーガン 漫画.星野之宣
タイトル:星を継ぐもの
作者 :原作.ジェイムズ・P・ホーガン 漫画.星野之宣
連載期間:2011年~2012年
巻数 :全4巻
西暦205X年に月面で宇宙服を着た人間の遺体が発見されます。
この遺体の人物に該当する行方不明者はおらず、身についけていた宇宙服からこの人物は5万年前に死亡した事がわかりました。
主人公のヴィクター・ハントはこの月の遺体の調査に参加することになり、物質の内部を観測できる機器を利用して遺体の分析を行いますが、宇宙服には人類史において過去に存在しない技術が使われていることや、地球上では同様の高度な技術が存在した痕跡が無い事から異星人であると考えます。
しかし生物学者のクリスチャン・ダンチェッカーは遺体は間違いなく地球に住む人間であると断言する見解を示しました。
この遺体の人物は一体何者なのか、どこから来てなぜ5万年前の月に居たのか……一人の遺体から人類の生い立ちの謎が明かされることになります。
このマンガはジェイムズ・P・ホーガンによるSF小説が原作となっており、小説は1977年に発表され高く評価された作品です。
マンガの冒頭から月で5万年前に宇宙服を着た遺体が現在の人類と変わらない姿で見つかるという大きな謎が突き付けられ、その謎を解き明かす過程で様々な発見があり、人類の進化や月の起源など様々な内容に触れて、謎を解き明かそうとする展開は宇宙や人類史が好きな人にはたまりません。
1977年当時の様々な最新科学を基軸とした物語で大変読みごたえがあります。
小説版はこちらです。ものすごく読み応えがるのでお勧めです。
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最後に
おすすめのSF漫画はいかがでしたでしょうか。
SF漫画は本当に数が多く様々なジャンルと絡んでいるので、まだまだおすすめしたい作品があるのですが、今回はここまでとしたいと思います。
SFというテーマはマンガの題材として取り上げやすいのか、本当に多種多様な作品があり読者をいつも楽しませてくれます。
また次回に機会があればSF漫画のご紹介記事を書きたいと思います。
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