こんにちはユレオです。
皆さんはホラー映画や、ホラーをテーマにした漫画や小説をご覧になられたことがあるかと思います。
そうしたホラー作品ではゾンビをテーマにしたものが多いこともあり、ゾンビという存在と特徴について、多くの方に広く浸透しています。
特にハリウッド映画では「ゾンビ」をテーマにした映画が溢れており、ほぼ毎年のようにゾンビをテーマにした新作映画が誕生しています。
最近ではゾンビの表現が様々に進化して、全速力で走って襲ってくるゾンビが主流になりつつあり、ゾンビの存在がより恐怖するものに変化しています。
そうした新作映画が次々と作られるゾンビ映画ですが、大量の作品が存在することから「ゾンビパニック」というジャンルでまとめられており、ゾンビパニック映画は確固たる地位を築いています。
このゾンビパニックをテーマにした漫画も当然存在し、様々な作品がありますが、本日ご紹介する作品はゾンビパニック漫画の中でも非常に表現が面白い作品で、謎の奇病の感染で日本の社会が大混乱に陥った中、生き残りを賭けて奮闘する冴えない中年男性が主人公の物語です。
タイトル:アイアムアヒーロー
作者 :花沢健吾
連載期間:2009年~2017年
巻数 :全22巻
この漫画はゾンビパニック物の物語ですが、主人公が冴えない中年男性で特別な力や世界を救うというような志があるわけではなく、ゾンビの出現により混乱に陥った世界の中で如何に生き残るかという選択の連続を行う新感覚のゾンビパニック漫画です。
ゾンビパニックをテーマにした作品では多くの場合、主人公が世界を救う為に立ち上がったり、主人公の持つ特別な力で混乱に陥った人々を救い導くというようなストーリーが多い中、この作品では自分が生き残るために他人が犠牲になるのを見過ごしたり、自分で問題を解決するのでは無くて他力本願の姿勢をみせるなど、ある意味リアリティが高く非常に人間味のあるストーリー展開となっています。
そのため、不自然に思えるくらい仕草や思考を巡らせるシーンの描写が細かく「もしゾンビに襲われたらこんな行動を取るかもしれない」という親近感が湧き上がる内容で、ゾンビパニックをテーマにした作品としては大変面白くめずらしいストーリーになっています。
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細部の表現が面白いゾンビパニック漫画「アイアムアヒーロー」のあらすじ
主人公の鈴木英雄は売れない35歳の漫画家で東京に住み、出版社にネームの持込みを繰り返す生活を送り、漫画家のアシスタントをしながら再デビューを目指していました。
毎日アシスタントをしている漫画家の事務所に通い、仕事をこなした後に恋人宅へ訪れるといったごく普通の日常を送っていますが、ある日全国で「噛み付き事件」が多発することになり、人々がゾンビのような食人鬼と化す謎の奇病が蔓延することになります。
「噛み付き事件」は最初は小さな事件として扱われていましたが、やがて感染が蔓延して恋人も感染してしまい英雄も襲われることになります。
この日本中に蔓延している奇病は噛まれることで感染し、仕事仲間なども次々と犠牲となるのですが、英雄は趣味でクレー射撃をしており、銃砲所持許可証および散弾銃を所持していた為、これが武器として役立ち、命からがら都内を脱出することになります。
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「アイアムアヒーロー」の感想!細かいところでリアリティーのあるゾンビパニック漫画
この漫画はゾンビパニックが物語のベースとなっていますが、秩序を失い荒廃した日本社会で生き残るためのサバイバル要素もあり、ゾンビの出現により崩壊した世界を非常にリアルに表現したゾンビサバイバル漫画と言えます。
英雄の心理描写が大変面白く、時々空想と現実がごっちゃになって、何が進行中の出来事なのかわかりにくくなるところがありますが、こうした描写も含めて非常に引き込まれます。
人は秩序を失い極限まで追い詰められた世界ではどうやって生きていくのか、モラルをどこまで保つべきなのか、正義とは何であり倒すべき敵は何なのかといった内容も描かれており、倫理観の是非や哲学的な様相も見せます。
ストーリーが進むに連れてこの謎の感染症は世界中で蔓延していることがわかり、人類の文明が崩壊し、終末世界の中で生き残るために人々は武器を手にした者同士でも争う事になります。
「アイアムアヒーロー」はマンガ大賞2010で4位、マンガ大賞2011で3位、第58回小学館漫画賞一般向け部門を受賞するなど大変評価が高いマンガで、2016年には大泉洋が主演で実写映画化しています。
全22巻と大作漫画で、サイドストーリー作品も多数あり、大変読み応えのあるマンガですので、ゾンビパニック物が好きな方には是非おすすめする作品です。
●心理描写が大変面白い
●2016年には大泉洋が主演で実写映画化している
大泉洋が主演の実写映画はこちらです。
「花沢健吾」の他の作品のご紹介
花沢健吾の作品は非常に心理描写が細かくて、そして不必要と思うくらい細かな表現が特徴的で、これまでいくつかの作品が実写映画化されています。
作風として冴えない男性が主人公の作品が多く、作者の考え方や思想を面白おかしく表現している作品もあり、商業誌のマンガの世界では珍しい作家です。
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